『巴ノ丞鹿の子』『ほおずき地獄』『にわか大根』に続く「猿若町捕物帳」シリーズの最新刊。

お馴染みの千蔭の見合い騒動と、年若い義母・お駒の懐妊、それに平行して起こる事件が相変わらずテンポ良く進んでいきます。主人公・千蔭に輪をかけて堅物で口の悪い大石の、見かけに寄らない歯がゆくなるような純情ぶりにぐっと来ました。
このシリーズは作者が時代物の書き手にしては若いのもあるのか、全体を通してあまりじめっとしてなくて歯切れ良く、それでいて濃やかな雰囲気があります。どの作品にも出てくる、封建的で生きにくい不自由な時代を、それでも自分に正直に生きる女性の姿がすごくいいんですよね。今回のおろくも時代劇にしてはちょっと変わったキャラクターだけど魅力的です。
近藤史恵さんは歌舞伎に造詣が深いらしく、この「猿若町捕物帳」の他に現代物の歌舞伎のシリーズもありますが、こちらの方が話の展開やキャラクターの設定が、現代物にはない自由でのびのびした感じで、物語として楽しいので好きです。

お馴染みの千蔭の見合い騒動と、年若い義母・お駒の懐妊、それに平行して起こる事件が相変わらずテンポ良く進んでいきます。主人公・千蔭に輪をかけて堅物で口の悪い大石の、見かけに寄らない歯がゆくなるような純情ぶりにぐっと来ました。
このシリーズは作者が時代物の書き手にしては若いのもあるのか、全体を通してあまりじめっとしてなくて歯切れ良く、それでいて濃やかな雰囲気があります。どの作品にも出てくる、封建的で生きにくい不自由な時代を、それでも自分に正直に生きる女性の姿がすごくいいんですよね。今回のおろくも時代劇にしてはちょっと変わったキャラクターだけど魅力的です。
近藤史恵さんは歌舞伎に造詣が深いらしく、この「猿若町捕物帳」の他に現代物の歌舞伎のシリーズもありますが、こちらの方が話の展開やキャラクターの設定が、現代物にはない自由でのびのびした感じで、物語として楽しいので好きです。