経済中心に書いてます!

趣味の範囲で…園芸・沖釣り・漢方・医食同源の投稿をします…業務はCX・225指数・FX Pro. …

[FT]ロンドンの醜い裏の顔

2018年01月30日 07時17分29秒 | 市場動向チェックメモ
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26177640W8A120C1TCR000/?n_cid=DSTPCS001

[FT]ロンドンの醜い裏の顔
ヨーロッパ FT
2018/1/29 2:30

Financial Times

 米大物映画プロデューサー、ハーベイ・ワインスタイン氏による長年の性的暴行について、米紙ニューヨーク・タイムズが報じたのは3カ月あまり前だった。これを機にハリウッドを揺るがす不祥事が表面化し、ツイッターなどでセクハラを告発する「Me Too(私も)」運動が起こった。英国でも国会議員が過去のセクハラの責任を問われる事態となった。

 巨額マネーが動く金融の最先端基地であるロンドンのシティーも女性蔑視がまかり通る野蛮な世界であり、何らかの告発が出てくるのは時間の問題だった。フィナンシャル・タイムズ(FT)記者は国内の様々な有力者が出席する「プレジデンツクラブ」の毎年恒例の慈善夕食会に潜入し、そこで繰り広げられた性的不品行を24日、白日の下にさらした。ロンドンの金融界や産業界のエリートの間に、こうした悪行を容認する文化が根付いていたことがうかがえる。

ロンドンのシティーでは、慈善目的をうたった女性蔑視のイベントが長年開かれてきた=ロイター

 招待客は男性限定。「背が高く、細身で美人」という条件で集められた女性の接客係は「セクシーな靴」を履くよう指示された。それとない痴漢行為やセクハラが横行し、接客係は男性から売春婦かと聞かれた。欧州の金融中心地にとって時代錯誤も甚だしい恥ずべき行為だ。上司が職場の外でこうした下品なセクハラに手を染めていれば、女性は男性と同じ給与や勤務条件など望めるはずがない。

 とりわけおぞましいのは、この夕食会が英広告大手WPPなどの著名企業から後援を受け、子供のための慈善活動という立派な大義に多くの寄付金を集め、権力層との関係も深めてきたことだ。

■ストリップクラブへの招待券も

 確かに主催者はこれまで巨額の寄付を集めてきたが、今の時代、女性をおとしめたり排除したりしなくても資金は十分集められる。FTの報道を受け、寄付金を返した病院もある。支援を受けている団体は、夕食会で何が起きていたかなど知る由もないだろう。

 資金集めでは、ロンドンの歓楽街のストリップクラブへの招待券のほか、ジョンソン外相との昼食会とイングランド銀行(中央銀行)のカーニー総裁とのアフタヌーンティーに参加できる権利(13万ポンド=約2000万円で落札)など、多彩なものが競売にかけられた。

 公平を期すためにいうと、一部の参加者は憤慨していた。だが、今回も含めて夕食会で不快な思いをしたのなら、抗議の声を上げるべきだった。多くの参加者はFTの報道に衝撃を受けたと話している。最も破廉恥な行為については知らなかったとしても、セクハラを助長するような雰囲気に全く気付かなかったはずがない。ほぼ全裸で登場した女性ダンサーたちを見ればわかることだ。

 競売の司会者が「今年の最もPC(ポリティカリー・コレクト=差別的でない)の逆を行くイベント」へようこそとあいさつすると、会場はどっと笑いに包まれたという。シティーで働く多くの人にとってはPCに反することが名誉の証しとされている。特に古参の中堅幹部には男女同権はあり得ず、多様性の実現に向けた取り組みなど、どうでもいいことなのだ。

 英国の欧州連合(EU)離脱に伴い混乱が訪れようとしているなか、シティーが金融の中心地であり続けるのに必要なのは、様々な経歴を持つ優秀な人材を男女の別なく受け入れる賢明さだ。今回明らかになったいかがわしい裏の顔など全く必要ない。

By Patrick Jenkins

(2018年1月25日付 英フィナンシャル・タイムズ紙 https://www.ft.com/)

(c) The Financial Times Limited 2018. All Rights Reserved. The Nikkei Inc. is solely responsible for providing this translated content and The Financial Times Limited does not accept any liability for the accuracy or quality of the translation.

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。