みみずくの日記

旅行記録などに関する感想を書く。

陸奥記念館を訪ねる

2015-04-04 15:42:40 | Weblog

 安芸灘の屋代島北西端が対岸の柳井市と大島大橋で結ばれていることをテレビの番組で初めて知った。地図を見ると、島は東西に30キロ位あり、安芸灘を蓋しているように見える。島の東部の伊保田に、戦時中、柱島泊地で爆沈した戦艦陸奥の記念館があるので行ってみることにした。

 運転免許証は返納しているので、移動はバスかフェリーを使うことになる。バスでは、山陽本線大畠駅から防予バス周防油宇行きに乗り、記念館前で降りる。所要時間は約1時間6分、運賃は片道1730円である。

 柳井港(やないみなと)からは、松山へ行く防予汽船のフェリーがある。
途中、寄港する伊保田で降りて、記念館まで徒歩10分の距離だ。記念館まで海岸沿いの平坦な道であると電話で聞いて安心した。所要時間は約1時間20分、運賃は片道1360円である。行きはフェリー、帰りはバスにした。

 

 

 

 

  

 

 

 

 出港して、10分も経たないうちに大島大橋に近づいた。食べていた弁当を傍らに置き、カメラを持って、客室の前のデッキに 出た。

 天気予報は、今日だけが曇り、その前後の日は晴れとなっていたが、天気は良かった。大島大橋の右側が屋代島であり、左側には、山陽本線大畠駅がある。

 山陽本線の柳井港駅には12時少し前に着いた。防予汽船の乗船場は、柳井港駅の直ぐ前にあった。博多駅で買った駅弁を山陽本線の車中で食べるつもりだったが、乗客が多かったのでフェリーで食べた。松山行のフェリーは12時25分に出港する。伊保田寄港を確認して乗船した。13時45分伊保田着となっている。

  

 

 

  

 

 

  大橋の下の瀬戸を通る時から前に島が見えていた。地図を見ると前島とある。島の場所に似合った名前だと思う。島は初め進行方向に見えていたが、やがてフェリーは島の横を通り過ぎた。進路を少し右に変えたようだった。海は穏やかだった。 

 

 

 

 

     柱島、出港して約50分後の13時15分撮影。

 

 

 右に小さく見える三つの島が、左から続島、長島、福良島とすると、左の大きな島が柱島となる。この島は、かなり前から見えていた。陸奥の沈没位置は、柱島から約5キロとあったから、フェリーから見て、左舷前方の海域と思ったが、これは間違いだった。海上の距離感は全くあてにならない。

 記念館で受付の女性に訊ねると、陸奥の沈没場所は、フェリーが通ったあたりだと教えてくれた。吉村昭氏の著書「陸奥爆沈」には、沈没位置は東経132度24分、北緯33度58分となっている。家に帰って、フェリーの航路が描かれている地図で、フェリーの右舷の海域で航路に近い場所と推定した。そこは柱島の海岸まで約5キロ、記念館の海岸まで約4キロであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 記念館横の小高い丘に石碑があり、傍らに沈没場所の方向と距離が3キロと表示されていた。前方には柱島が見える。記念館の女性の話とこの標識から、推定した場所は沈没場所に近いと思った。予め調べておけば、フェリーがその近くに来た時、せめて心の中で手を合わせたのにと思った。 

 

 

 

 

 

            

 

 フェリーが伊保田の港に近づいて行くとき、海岸に自衛隊の飛行艇が見えていたので、記念館の場所はすぐに見当がついた。

 

 

 

 

 

 

  陸奥記念館の周辺は、公園と駐車場になっていて、小さな水族館もあった。「陸奥記念館」と刻まれた石碑の背後には、陸奥の碇が見える。

 

 

 

 

  館内には引き揚げられた遺品が展示されていた。艦長の軍服や破損した士官の短剣など多くの遺品を見ると、爆発による人の死が実感され、遺品を撮影する気にはなれなかった。爆発は、昭和18年6月8日の12時10分から13分ごろとされている。遺品の時計には、爆発の瞬間を示すものがあったかも知れないが、時計の板面を見ることに気づかなかった。

 

 

 

 

               戦艦陸奥の模型

  

 

      上から大和、巡洋艦妙高、陸奥の模型 

 

 

            スクリュー 

 

 

 記念館の横の丘の上に、副砲、スクリュー、艦首部分など展示されていた。軍艦は鉄の塊という印象を改めて受けた。スクリューは艦の外だが、変形は何かの固形物との激しい衝突によるものだろうか。  

 

 

           桜と副砲

 

 桜はまだ開き初めだった。昔の軍隊は桜の花と縁が深かったが、戦後70年続いた平和な時代から見れば、桜と大砲は不似合のようにも思えた。

 

 

 

                

  

 

 

 


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