みみずくの日記

旅行記録などに関する感想を書く。

三次から江津へ(3)

2009-04-30 09:42:48 | Weblog


どの辺りからだったかは覚えていないが、ディーゼルカーのスピードが速くなり、いくつかのトンネルを抜けていった。線路脇を見ると崖ではなく、両側の地面も余裕があるので安心した。地盤が丈夫でカーブも少ないからスピードを上げるのだろうが、遅い速度から急に速くなると、若い運転士には申し訳ないが少し不安を感じた。



 「宇都井」駅は消防学校の訓練塔?のような高い四角柱の上にある有名な駅らしい。どこかで記事か写真を見たような気もするが、それが三江線の駅であることを知ったのは、最近のことである。こういう珍しい駅なら、階段を降り、下で駅の写真を撮るぐらいの停車時間があればいいと思ったが、直ぐに発車した。今ここで降りると、ディーゼルカーは夕方にしか来ない。
 
 それでも駅に着いたとき、写真を撮っている人がいて、発車した後もホームに残っていた。たぶん車で移動しているのだろう。

 かつての高千穂線では、深い谷間に架かる鉄橋の上で列車を止めてくれた。予土線の「江川崎」駅で列車待ち合わせで10分くらいの停車時間があり、その間にホームからかなり長い階段を下りて、崖下の駅舎のトイレに行った覚えがある。



 ホームの下の方に、民家の赤屋根が見える。田圃には水が張られていた。



三次から江津へ(2)

2009-04-29 06:36:20 | Weblog

             長谷駅付近

 車内には子連れの若いお母さんが二組、ベビーカーを持ち込んで乗っていた。今日は土曜日なので、沿線の実家に里帰りして、夕方か明日、こちらに帰ってくるのかも知れない。そのほかは観光客と思われる乗客が五、六人乗っている。ディーゼルカーは10時3分に三次駅を発車した。

 初めは地図を見ながら風景を眺めていたが、面倒になり窓の外の景色をぼんやりと見ることにした。線路は川沿いの険しい崖に沿い、その直ぐ下に道路がある。曲線コースの線路が多く、線路脇には、制限速度と思われる「30」と書かれた標識が所々に立っている。若い運転士が運転席に座り、その横に指導役のベテラン運転士が立っている。発着のたびに、若い運転士は緊張した声で指呼しながら、確認作業を行っている。通常より少し遅い速度で慎重に運転しているような気がするが、ゆっくり走ってくれるのは歓迎である。



 少し上流にダムがあるのか、水量が少なく川原に沢山の石が露出しているところがある。人の手が加わるところが少ない自然のままに近い川は、貴重な存在になってきたように思われる。


        車両後部の窓から見た信木駅

 ペンとメモを持参しなかったのでこの駅は所木駅かも知れない。走り去る車両の後の窓から、誰も降りなかった無人駅を見ていると、このホームには簡素な待合室がよく似合うような気がした。 



 水量が多く、蛇行しながら山峡を流れていく江川の風景を見ていると晩秋の時期にもう一度乗って見たいと思った。


三次から江津へ

2009-04-27 10:55:33 | Weblog


 三次駅や駅前の様子を写真に撮る。駅の近辺を少し歩いてみたいが、乗り継ぎの時間は17分なので駅に戻ってトイレに行く。0番ホームに行くと、「石見川本」行きのディーゼルカーが停車している。インターネットの写真で何回か見た光景であるが、自分用の写真を撮っておく。

 最近、本屋の店頭で、横見浩彦著「JR全線全駅下車の旅」という文庫本が目にとまったので、買ってきて読んでみた。こういう本の読み方は、適当なところから読み始めていくのだが、面白いので何回も読んだ。本のあとがきで、著者と女性漫画家、それに出版社の編集者の三人が鉄道で全国を旅する菊池直恵著「鉄子の旅」という漫画が出版されていることを知り、買ってきて読んでみた。第12旅「木次線、三江線、可部線」でこの0番ホーム「三江線のりば」が描かれている。プロの絵だから当然のことだが、乗り場と車両の様子が的確に描写されている。昔、子供に漫画本を買ったとき以来、初めて漫画本を買ったのだが、内容もさることながら、実際に即して描かれた背景の絵もじっくり楽めた。

 インターネットで三江線を走る車両写真を見ていると、どうもトイレがないように思えた。車内にトイレがなければ、途中の駅のトイレを使うことになるが、短い停車時間では難しい。それにトイレがない駅もあるかもしれない。心配なので三次駅に問い合わせてみた。「車内にトイレはあります」という返事だったので安心して乗ることにした。


広島から三次へ

2009-04-26 09:56:49 | Weblog
 今回は山陰第一の大河江川に沿って走る三江線に乗ってくることにした。6時30分発の「のぞみ4号」で博多を発ち、7時36分に広島到着。芸備線、三江線と乗り継いで、江津に出て、そこからは新山口まで「スーパーおき5号」に乗り、再び新幹線で19時40分博多に戻る予定である。

 土曜日だったが、芸備線のホームに停車している三次行きのディーゼルカーに大勢の高校生が乗り込んできた。前の席に座った高校生に聞くと、学校は六日制の中高一貫校とのことである。広島駅を7時53分に発車した。
 
 車窓から長い堤防の上を走る車が見える。川面は見えないが、ディーゼルカーは大きな川に沿って走っていることが分かる。持ってきた地図を見ると、三段峡の方から流れて来る大田川に東南からの篠川が合流し、広島市に向かって南流して行く辺りらしい。二つの川の合流点を過ぎ、ディーゼルカーは大きく右に曲がり下深川(しもふがわ)駅に着く。いつの間にか高校生達は降りてしまって、車内には、登山姿の乗客が目につくようになった。殆どが年配の人たちで女性の方が多いようである。

 「白木山」駅でリーダーらしい年配の男性に率いられた七、八人の女性登山グループが下車した。地図を見ると駅から北西へ直線距離で3キロぐらいのところに標高890メートルの白木山がある。そこが目的の山なのだろうか。今日は晴天で、空気も澄んでいる。山頂からの眺めも素晴らしいことだろう。今の時刻の8時頃から登り初めて、昼ごろには山頂に着き、夕方にこの駅に戻ってくるのだろう。

 「白木山」駅から四駅目の「市原市」駅でも、登山姿の年配の男女のグループが下りて行った。ここから北西に標高600メートルの赤柴山があり、南東の方に標高922メートルの鷹の巣山がある。どちらかの山に登るのだろう。鷹の巣山は白木山より少し高く、駅からの距離もかなりあるようだ。




 車内の乗客は随分少なくなった。天井を見上げると懐かしい扇風機が目についた。天井に固定された枠に扇風機が取り付けられ、枠の独特の動きによって、扇風機の風は360度の方向に送られる。この扇風機が付いているのは、かなり以前の車両だが、天井にはエアコンも併置され、夏の冷房は扇風機の風だけではない。内部はきれいに改装され、椅子も新しく取り替えられて、清潔感のある車両となっている。



 9時46分、三次駅に到着。今度は三江線に乗り換え、0番乗り場から出る10時03分発江津行きのディーゼルカーに乗る。