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ニッカウイスキー株式会社の正門
札幌二日目は、NHKドラマ「マッサン」の舞台であるニッカウヰスキーの工場がある余市へ行った。5年前のバスツアーで、このウヰスキー工場を訪ねたときは、敷地内のバス駐車場で降りて、工場を見学した。今回は正門から入った。ドラマ「マッサン」の後のせいか、展示会場が増設されたように感じた。
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RITA HOUSE
ドラマの内容を知らないと、RITA HOUSE が社長夫人の家であることは、分からなかったと思う。
ドラマ「マッサン」に出てくる理髪店の壁に、「興亜奉公日」と印刷された紙が壁に貼ってあった。「火の用心」の貼り紙を時折見かけるが、それと同じようなものである。ドラマの時代は多分昭和18年以降、店の場所は分からないが、余市の町と思われる。
「興亜奉公日」をはじめて聞いたのは、戦時中、小学校二年生か三年生の頃である。朝礼の時間、担任の女の先生が、今日は「こうあほうこうび」ですといい、新しい記念日ができたことを話した。先生は、小学校低学年には、内容の理解が無理と思ったのか、それ以上何も説明しなかった。
「ほうこう」は働くことと知っていた。しかし、初めて聞く「こうあ」は、何のことか分からなかった。「こうあ」が「きょうわ」なら「きょうわほうこうび」となる。これなら「今日は働く日」となって分かると何度か思った。しかし、「こうわ」は分からなかった。
「興亜」の意味が分かったのは、ずつと後のことである。教壇に立って話をしている先生の姿を、なぜか、今でもはっきり覚えているのは、全然理解できないことを先生が話したからだと思う。分からないから「訊ねる」ということは、全く念頭になかった。その後、先生達からも、周囲の大人や友達からも、この言葉を聞くことはなかった。
そして70年以上たった。実物を見たことはないが、小道具として「興亜奉公日」の貼り紙がドラマで使われているのを見て、実際に使われていたことを知った。印刷されたビラが、隣組を通じて町の商店などに配られたのだろう。何の役にも立たなかった記念日と思うが、ビラはドラマの時代を表す小道具として役立ったといえる。
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蒸留装置
ドラマの放映によつて、五年前に来たときより、多くの場所が公開、展示されていたように感じた。
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見覚えのあるニッカウヰスキーのラベルが、大きく拡大されて展示され、若い女性のガイドさんの説明が行われていた。
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NORTH-LAND
1階は土産売り場、2階がウヰスキーの試飲会場 となっている。酒は飲めないが、折角だから、少し飲んで行くことにした。
会場で、おいしい水割りウヰスキーの作り方の説明があったが忘れてしまった。ウヰスキーを口にして、その強い香りに驚いた。今までこんなウヰスキーに出会ったことがない。下戸で、上等のウヰスキーを飲んだ経験がなかったせいだろう。ウヰスキーの味は分からないが、使われている氷水はまろやかで、おいしい余市の水で作られたものと思われた。
記念にミニボトルを1本買い、あの香りをもう一度家で楽しむことにした。しかし、我が家の水道水は、鉄分が多いようで、ろ過機を使っても、おいしい氷ができそうもない。そこで、ペットボトルに入った市販の天然水で氷を作ることにした。ここで、やっと気づいたことがある。
ご近所の家で、ゴミ回収日に透明のペットボトルを沢山出す家がある。あれはきっと、その家のご主人が、ウヰスキーや焼酎の水割りを楽しんでおられるに違いないと思った。
余市を訪ねたのは、27年4月だった。棚にはまだウヰスキーの小瓶が置かれたままである。