ラッパウニに刺された

2009-05-17 22:19:00 | 海洋生物

先日、はじめてラッパウニに刺されてしまいました。写真を撮るのに夢中になってラッパウニの上に手をおいてしまったのです。びびっと痛みが走った手首の部分を見るとむき出しの皮膚の部分に叉棘(さきょく)がびっしりとついていました。刺さったというより、棘が「かみついた」というような状態です。ラッパウニの叉棘(さきょく)は先端部が三つに分かれていて、口をあけたり閉じたりできるのです。

「意外と痛いなあ」なんて思いながら手首に付いた叉棘を爪でこそげ落としているうちになんだか心臓が少しどきどきしてきました。そして顔全体が膨張するような感覚が・・・。「これはちょっとまずいなあ」と思ってすぐに岸に向かいましたが、幸い、動悸や顔の膨張感は海から上がる前には収まりました。

一応、海から上がってから少しの間、患部を熱いお湯に漬けました。翌日になると刺された周辺がかなり腫れて圧迫されるようなズキズキとした痛みがあったので、一応病院へ。処方された抗生剤と消炎剤を飲み、塗り薬(ステロイド外用薬)を塗っていたところ、数日で腫れは引きました。叉棘が刺さった部分も膿んだりすることなく綺麗に直りました。

ラッパウニの毒の影響は人によってかなり異なり、全く何ともない人もいますが、人によっては立っていられなくなったり、呼吸停止に陥ったりする人もいるそうです。今回の症状を見ると私もあんまり強い方ではないみたいですね。オニヒトデにも何回か刺されていますが、だんだん症状がひどくなっているような気がします。特に強い毒を持つことで知られるイイジマフクロウニなんかに刺されたら、おだぶつかも知れません。S.N.

Rapa

なかなか、美しいウニです。

Uni2

名前の由来になっているラッパ状の叉棘(さきょく)。
これが皮膚にかみつきます。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ラッパウニの叉棘毒を研究しています。すぐに海か... (中川秀幸)
2012-11-05 20:20:41
ラッパウニの叉棘毒を研究しています。すぐに海から上がられ、応急処置後に病院で治療を受けら、数日で腫れが引き良かったです。コメントのように叉棘のタンパク質毒素に敏感な方、そうでない方に分かれます。写真には見られませんが、ラッパウニの体表周辺には大型叉棘(おおがたさきょく)が数本から数十本あり、タンパク質毒素量が通常タイプの叉棘(1本あたり)に比べて約10倍量も含んでいます。この方は以前にもオニヒトデに刺されていますので、抗体が出来ておりウニ毒素が抗原として、抗原抗体反応を起こされた、と思われます。
返信する
中川秀幸 様 (中地 シュウ(S.N.))
2012-11-09 09:43:35
中川秀幸 様

情報ありがとうございます。もう、ウニ、ヒトデには刺さりたくないです。

棘皮動物の持つレクチンやサポニンなどの生理活性物質は興味深いですよね。研究所のある幡多地域では宝石サンゴ漁というのが行われていて、混獲物として潜水調査ではなかなか得られない水深100m以深にすむ生き物のサンプルが手に入ります。ウニなども結構とれますが、毒性は調べていません。未知の有用な糖タンパクなんかがたくさん見つかるかもしれませんね。
返信する

コメントを投稿