先日、はじめてラッパウニに刺されてしまいました。写真を撮るのに夢中になってラッパウニの上に手をおいてしまったのです。びびっと痛みが走った手首の部分を見るとむき出しの皮膚の部分に叉棘(さきょく)がびっしりとついていました。刺さったというより、棘が「かみついた」というような状態です。ラッパウニの叉棘(さきょく)は先端部が三つに分かれていて、口をあけたり閉じたりできるのです。
「意外と痛いなあ」なんて思いながら手首に付いた叉棘を爪でこそげ落としているうちになんだか心臓が少しどきどきしてきました。そして顔全体が膨張するような感覚が・・・。「これはちょっとまずいなあ」と思ってすぐに岸に向かいましたが、幸い、動悸や顔の膨張感は海から上がる前には収まりました。
一応、海から上がってから少しの間、患部を熱いお湯に漬けました。翌日になると刺された周辺がかなり腫れて圧迫されるようなズキズキとした痛みがあったので、一応病院へ。処方された抗生剤と消炎剤を飲み、塗り薬(ステロイド外用薬)を塗っていたところ、数日で腫れは引きました。叉棘が刺さった部分も膿んだりすることなく綺麗に直りました。
ラッパウニの毒の影響は人によってかなり異なり、全く何ともない人もいますが、人によっては立っていられなくなったり、呼吸停止に陥ったりする人もいるそうです。今回の症状を見ると私もあんまり強い方ではないみたいですね。オニヒトデにも何回か刺されていますが、だんだん症状がひどくなっているような気がします。特に強い毒を持つことで知られるイイジマフクロウニなんかに刺されたら、おだぶつかも知れません。S.N.
なかなか、美しいウニです。
名前の由来になっているラッパ状の叉棘(さきょく)。
これが皮膚にかみつきます。
情報ありがとうございます。もう、ウニ、ヒトデには刺さりたくないです。
棘皮動物の持つレクチンやサポニンなどの生理活性物質は興味深いですよね。研究所のある幡多地域では宝石サンゴ漁というのが行われていて、混獲物として潜水調査ではなかなか得られない水深100m以深にすむ生き物のサンプルが手に入ります。ウニなども結構とれますが、毒性は調べていません。未知の有用な糖タンパクなんかがたくさん見つかるかもしれませんね。