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酢酸注射でオニヒトデ駆除を行いました!

2011-06-14 23:59:00 | サンゴ保全活動

今日は柏島のビロウ島で宿毛湾環境保全連絡協議会によるオニヒトデ駆除が行われました。

ビロウ島は今年、ダイビングポイントとして開放されましたが、オニヒトデがかなり眼につきます。数年前からこの場所にオニヒトデが発生していることは把握していましたが、利用されていなかった場所であったためこれまで駆除は行われませんでした。イシサンゴの仲間はわずかに残るのみになっています。

今回は昨年度、開発した酢酸を使った薬剤注射よる駆除を行いました。この方法が実用化されるのは今回が初めて。ビロウ島のような水深があり、流れが強いところでは最適の方法です。今回は20%の酢酸を1個体あたり12cc(4cc×3回)注射しました。

今日の駆除数は168個体。決して少ない数ではないですし、波や流れもかなりあったのですが、注射駆除のおかげで、作業はとても安全にできました。

参加した大月地区ダイビング部会のメンバーは「今日はなんか物足りないッスね」といっていましたが、確かに私も同感です。でも、安全第一ですよね。S.N.

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注射駆除の様子。作業を行っているのは黒潮実感センターの川崎さんです。オニヒトデは小型のものが多かったので、どうやっても迫力のある駆除風景の写真がとれませんでした。

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薬液ボトルに酢酸を詰めているところ。初めての注射駆除にみんなはしゃいでました。


西泊でオニヒトデ駆除

2011-05-21 21:56:00 | サンゴ保全活動

今日は宿毛湾環境保全連絡協議会によるオニヒトデ駆除が行われました。駆除地点は重点保全区域の一つである西泊地先。研究所の目の前の海です。今日の作業には足摺宇和海国立公園大月地区パークボランティアのメンバーほか7名のダイバーが行いました。2本潜って約200個体のオニヒトデを駆除しました。西泊地先では昨年度約7,000個体も駆除しましたが、やっぱりまだオニヒトデがいます。今年も気を抜かずにがんばらないといけません。オニヒトデたちには気の毒ですが。S.N.

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4月から大月町に来た県の地域支援企画員のUさんも参加してくれました。頼りになる人が来てくれました。


新年初オニヒトデ駆除

2011-01-05 22:11:00 | サンゴ保全活動

今日は新年初のオニヒトデ駆除を職員2名で行いました。研究所のすぐ目の前の海で、オニヒトデが大発生しており、今、地区の漁師さんやダイビングショップの方々と一緒にせっせと駆除をしています。

オニヒトデに何の恨みもないし、新年早々殺生はしたくないのですが、最近、最終防衛ラインを突破され、いよいよ長年、産卵観察をしているエリアのサンゴにも被害が出るようになったのです。この秋から冬にかけてほんとにオニヒトデが増えました。今日は年末に駆除した範囲をもう一度見回ったのですが、2名タンク一本で65個体ほど獲れました。先月はトータル2,000個体超を駆除したのに見てない範囲を含め、まだまだオニヒトデがいそうです。とほほ。S.N.

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沖ノ島でオニヒトデ駆除

2010-06-01 13:08:00 | サンゴ保全活動

沖ノ島で今日行われた宿毛湾環境生態系保全連絡協議会によるオニヒトデ駆除に同行しました。

沖ノ島ではエンタクミドリイシ主体の高被度の卓状ミドリイシ優占群落のある烏帽子崎周辺と三ッ碆周辺、海中公園区域の中で比較的サンゴが残っており、新規加入も多い三ノ瀬周辺の3ヵ所を重点保全区域に選んで駆除を行っています。

今回は烏帽子崎周辺の定期駆除と、この冬にできなかった三ノ瀬の駆除を実施しました。烏帽子崎は定期的な駆除が効果を上げ、今のところオニヒトデの分布密度を低く抑えることができています。三ノ瀬は昨年の12月以降、駆除を実施できていなかったので、一人、2~3袋はオニヒトデがとれるのではないかと覚悟していましたが、思ったほどでもありませんでした。といっても500個体近く駆除されましたがら、深刻な状況は続いています。夏までが正念場です。S.N.

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三ノ瀬の様子。浅いところにはサンゴが残っているのですが・・・・。


西泊地先でオニヒトデ駆除

2010-05-17 12:49:00 | サンゴ保全活動

先日、5月14日に研究所の目の前に広がる大月町西泊地先の海域でオニヒトデ駆除を行いました。宿毛湾海域(宿毛市と大月町)では昨年度から宿毛湾環境生態系保全連絡協議会という組織をつくってサンゴの保全活動に取り組んでいます。今回の駆除は今年度の取り組みの一発目。船頭さん2名、ダイバー14名が参加し、タンク2本の作業を行いました。参加してくださった方々、ありがとうございました。

西泊周辺では昨年度からオニヒトデの被害がさらに深刻になっており、平成21年度の年間駆除数は700個体程度と過去最高を記録しています。しかし、今回の駆除数はまさかの1,000個体超!わずか1日で昨年度の年間駆除数を上回ることとなり、愕然としました。

オニヒトデには何の恨みもありませんが、気を引き締めて駆除していかないと、大切なホームグラウンドを守れません。職員の皆さん、研究所を利用している学生の皆さん、これはよその駆除に行っている場合ではないですよ、がんばりましょう!S.N.

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オニヒトデ前線のようなものができています。

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うんざりするほどとれました。


西海リーフチェックに参加しました!

2009-10-25 22:36:00 | サンゴ保全活動

24,25日の日程で愛南町の西海で行われたリーフチェックに参加してきました。

以前から参加したいと思っていたのですが、やっと念願かないました。

リーフチェックというのは多くのボランティアダイバーの協力により、世界的規模で行われているサンゴ礁の健康診断で、固着生物の被度の変化や魚類、無脊椎動物の個体数の変化を毎年1回の調査で記録します。

西海のリーフチェックはイサナダイビングクラブというダイビングショップさんが主催で行っています。今年8年目だということで、皆さん手際よく調査を進めていました。

チーム科学者の方が、ヤドカリをご専門に研究されているそうで、独自の調査項目としてヤドカリ類について詳しいデータをとっています。こういうオリジナルな部分を何か持つと楽しいし、調査に張り合いも出ますよね。今年からソフトコーラルやハードコーラルを少し細かく分けて記録することにしたので、底質調査担当の方は少し大変でしたが、より有益なモニタリングデータがとれたと思います。また、愛媛の海をよく知るダイバーの方たちと色々話ができて有意義な2日間でした。

四国では西海のほかに高知県大月町柏島、土佐清水市竜串、徳島県宍喰と4ヵ所でリーフチェックが行われています。私は竜串のリーフチェックに毎年参加していますが、それぞれの場所でリーフチェックを行っている人たちが交流できる機会があったら面白いんじゃないかなと思います。S.N.

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大月町尻貝でのオニヒトデ駆除

2009-02-21 19:32:00 | サンゴ保全活動

先日、オニヒトデが見つかった大月町尻貝で急遽駆除を実施しました。

ボンベ1本、4名で45個体とれました。何とかこれでとりあえずの被害の拡大は押さえ込んだと思いますが、今後も定期的にオニヒトデが侵入して来ないか監視する必要が出てきました。それにしてもこの尻貝にまでオニヒトデがくるとは・・・・。

浅場にオニヒトデが入ると大変です。尻貝には内湾的で歴史のある貴重なサンゴ群集があります。キクメイシ類やキッカサンゴなどの大型の群体がこれほど高密度で見られるところは、ちょっとほかにはありません。

大月パークボランティアが移植して大切に育てているサンゴもありますし、シーズンにはたくさんのお客さんがスノーケルなどを楽しむ場所なので、下手したら人的被害も出かねません。

尻貝沖にある松碆の周辺や古満目につながる海岸線の状況も気になります。しかし、いつまで続くんですかね。このオニヒトデの大発生は。S.N.

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キッカサンゴに覆い尽くされた尻貝(大尻貝)の海底。


クチベニレイシガイダマシの駆除

2009-02-12 18:36:00 | サンゴ保全活動

サンゴを食い荒らす巻貝としてはヒメシロレイシガイダマシが有名ですが、最近、研究所周辺の海では同じシロレイシガイダマシの仲間であるクチベニレイシガイダマシという貝による被害が各地で出ています。

今回は大月町泊浦地先にある赤崎・トビガスというところでクチベニレイシガイダマシの駆除を行いました。駆除した貝の重さは計13kg。スギノキミドリイシがかなり広範囲に食害を受けましたが、目に付く集団はほぼ除去することができました。赤崎・トビガスにはなかなか見事なサンゴ群生地なので何とか食害の拡大を押さえられるといいのですが。

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サンゴがびっしりと生えた見事な群落。

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ピンセットを使ってひとつづつ、貝を拾い上げる根気のいる作業です。
サンゴを壊してでも徹底的に貝を取り除きます。中途半端にやるぐらいだったら、むしろほっといた方がマシだと思います。

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サンゴの枝の間に貝がたまっています。貝を取り除くと卵がびっしりと産み付けられていました。一番水温が低い時期なのに・・・。卵もサンゴ礫ごと取り除きました。

赤崎・トビガス以外にも、大月町西泊にある研究所地先の入り江、サンゴの自然再生事業が取り組まれている竜串湾の爪白海岸地先、オニヒトデの被害も出ている竜ヶ迫周辺などでもクチベニレイシガイダマシによるサンゴの被害が出ています。いずれもスギノキミドリイシという枝状のミドリイシが群生している場所で す。S.N.


土佐清水市大浜でのオニヒトデ駆除

2009-01-20 20:58:00 | サンゴ保全活動

先日、足摺岬西岸にある大浜(土佐清水市)というところでオニヒトデの駆除を行いました。大浜では2005年から毎年冬に駆除をしていますが、毎回、とてもたくさんのオニヒトデがとれます。足摺宇和海で最も高密度のオニヒトデ集団が確認できる場所です。

昨年度にかなり気合いを入れて駆除を行ったので、「今年はいくらかマシだろう」と期待して、駆除に望んだのですが、芳しくない状況ででした。

この日、6名、タンク2本で600個体のオニヒトデを駆除しました。数としては例年より少ない方だったのですが、10cm以下の小型の群体が非常に多く確認され(新たにオニヒトデが加入してきていることを示し、小型個体の成長に従って今後さらにも大きな被害が出る可能性があります)、また、昨年まで全く被害を受けていなかった岸よりの浅い範囲までオニヒトデが侵入していました。とどめはオニヒトデだけでなく、サンゴ食巻貝の集団が多数確認されたことです。これにはへこまされました。末期的状況です。

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毎年、じりじりとサンゴの分布面積が縮小していきます。

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10cm未満の小型群体がたくさん見つかりました。見つかりにくいので取り残しもあるでしょう。少し間をおいてもう一度見に行く必要があります。

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サンゴ食巻貝とオニヒトデが混成部隊となってサンゴを食べています。


リーフチェックin宍喰

2008-05-26 17:38:02 | サンゴ保全活動

 去る5月24日(土)~25日(日)、徳島県海陽町(旧宍喰町)で「第3回リーフチェックin宍喰」が催行され、岩瀬がチーム・サイエンティストとして参加してきました。002a 012a











 主催は地元のNPO法人あど未来と竹ヶ島海中公園自然再生協議会です。竹ヶ島海中公園は徳島県と高知県の県境にある甲浦湾にある海中公園で、美しい緑色のエダミドリイシを中心とする内湾性のサンゴ群集が特徴の海中公園でしたが、近年内湾化がいっそう進行し、エダミドリイシが減少してより内湾性の強いカワラサンゴに置き換わっているのが問題になっています。このまま内湾化が進行すると、サンゴのすめない海になるかもしれません。竹ヶ島海中公園自然再生協議会は、この海域を元の美しい景観に戻すべく、様々な取り組みをしています。「リーフチェックin宍喰」もこの活動の一環として行われている行事で、一般のダイバーを主役にしたサンゴとサンゴを取り巻く生き物たちの調査です。
 参加者は年々増加し、今年は45人のダイバーと地元の漁民の方々により、総勢50人以上の方々の協力により調査が行われました。詳しいことは、http://kaanapali-diving.jp/topics08.htmをご覧下さい。(FI)


西泊でサンゴ食巻貝の駆除

2007-10-27 18:00:00 | サンゴ保全活動

先日、西泊漁港の入り口にあるスギノキミドリイシ群落にサンゴ食巻貝がたくさんいるのが見つかりました。大月パークボランティア(大月PV)のメンバーに連絡すると「じゃあ、次の土曜に駆除をやるか」ということになり、すぐ人を集めてくれました。ここらへんのすばやい対応はさすがです。

今日行われた駆除作業にはPV3名、環境省土佐清水自然保護管事務所の自然保護官、研究所2名の計6名が参加してくれました(駆除作業を行ったのは4名)。1時間30分程度の作業で3.9kg(約1950個体)の巻貝を駆除しました。(クチベニレイシが多かったようです)。かなり丁寧に駆除を行ったのでほぼ貝を取り除けたのではないでしょうか。幸い、卵はあまり確認されませんでした。

今年の台風の影響で、群落の規模はだいぶ規模が縮小してしまいましたが、まだきれいな部分も残っています。サンゴの破片があたり一面に散らばっていますので、なにごともなければ、またどんどんサンゴが増えていくはずです。S.N.

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大月PVイベント モニタリング調査

2007-10-14 12:16:00 | サンゴ保全活動

大月PV主催のサンゴ保全イベント2日目の今日はサンゴのモニタリング調査を行いました。調査の前にサンゴのモニタリング調査手法についてちょっとみんなでお勉強。サンゴの被度や生育型、食害生物の食痕の見分け方などについて、スライドをみながら練習しました。調査は西泊松碆とビロウ島の2ヵ所で行いました。

西泊松碆では、昨年の秋にオニヒトデの集団が確認され、400個体ほど駆除されています。今回の調査ではオニヒトデの観察数(15分間)は2個体程度と多くありませんでした。しかし、岩礁の沖側部分では5個体程度観察されているので、引き続き注意が必要です。

柏島の沖に浮かぶビロウ島は美しいエンタクミドリイシの群落がみられる場所として知られていますが、普段ダイビングが禁止されているので最近の情報がありませんでした。今回の調査でオニヒトデがたくさん観察され、大きな被害を受けていることがわかりました。4年ほど前に調査で潜ったときには美しいエンタクミドリイシの群落がみられたのですが、とても残念です。

一般参加者の方々にとっては、いつものと違った趣のダイビングとなりましたが、モニタリング調査の大切さを少し学んでもらえたのではないでしょうか。S.N.

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大月PVイベント サンゴの移植作業

2007-10-13 12:03:00 | サンゴ保全活動

足摺宇和海国立公園大月地区ボランティアの会(大月PV)主催のサンゴ保全イベントが大月町で行われました。13日は大月町の尻貝でサンゴの移植が行われ、一般参加者を含め20名ほどのダイバーが作業に参加してくれました(みなさんお疲れ様でした)。今回、移植に使ったのは黒潮生物研究所が卵から育てられたエンタクミドリイシです。移植した人の名前が書かれたプレートをつけてあります。大月PVが成長状況を追跡調査し、ホームページなどで経過を報告していく予定です。移植作業に参加したみなさん、自分で植えたサンゴの成長ぶりを楽しみにしていてください。S.N.

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