地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

海の基本図 海底地形図

2009-10-08 12:39:42 | Weblog
海の基本図 海底地形図

マリンブルーのきれいな地図です。陸の「地形図」すなわち基本図(1:25,000)に対する、海の「基本図」です。
ただし、同じ地形測量をし、同じような作業で地図を作ってるのに、なぜ別々の行政で作業しなければならないのか、民間人の私には理解できませんが・・・

海の「基本図」にも、ここに採り上げたいのは、領海区域を確定するための「沿岸海域」の基本図です。

さて、海の基本図は、基本図とうたわれているように、先ず、日本の領海(12海里=19.3Km)の境を確定するために必要です。
そして、自分の土地だけに、その海の底の詳細を知る必要もあります。

航海のためと言うよりも、もっと広く、土地利用や資源利用のためにも、自分の土地を詳細に把握する必要があります。そのための基本図です。

航海図は、これを元に編集される編集図です。
縮尺は1:50,000が普通ですが、一部1:10,000図もあります。
上の図は、七尾湾の海底地形図の一部で1:50,000の図です。(「海の図いろいろ」より)

海図は、海面がこれ以上、下がらない面(基本水準面)からの深さを表しています。船が座礁しないためです。
そこを0mにして等深線を表す必要があるから、陸図とは基準が違います。

国土地理院の地形図の等深線が東京湾平均海面からの深さで表示されているのとは大きく違います。
だから、別の役所で作らなければならないという理屈がよく解りません。

現に、国土地理院も水深50m以下の沿岸域の海底地形図を刊行していますが・・・?

どこの国でも同じようにやってるのでしょうか?