地図のいろいろ

半世紀も地図作りに携わっていましたので、この辺で振り返って地図を見直してみようかな~・・・。

最古の世界地図

2009-03-12 12:36:03 | Weblog
最古の世界地図(バビロニアの粘土地図)

地図らしい地図が発見された最も古いものは、バビロニア(現在のイラク)の粘土で作られた地図です。

それにしても、現在のイラクからは想像できないほど、古くから開けた国のようです。

紀元前18世紀頃から、チグリス川とユーフラテス川に挟まれた肥沃な沖積地で、エギプトのナイル川沿岸と同じように栄えたようです。
何が原因で文明開化に遅れた国になったのでしょうか。

豊たかな土地ゆえに周囲の国々が侵略を繰り返したようですし、宗教問題も絡んだようですし(私にはよく解りませんが)、それになんと言っても豊富な石油資源に目を向けたイギリスなど帝国主義侵略の影響が大きいでしょう。

黄金の国ジパングは、よく耐え抜いてきたものです。立地条件も地理的環境も恵まれていたのでしょうが。

さて、その古代バビロニアの世界地図を、再度掲載しました。

紀元前6世紀頃のもといわれています。

陸地は平たい円盤で示され、その周りを海で囲んでいます。
中央にバビロニアらしい長方形が横たわり、それを斜めにチグリス、ユーフラテス川が横切っています。

私には、世界地図ではなく、バビロニア王国の地図に位置づけるべきだと思いますが。
周囲の説明文や記号などがよく解りませんが・・・

しかし、この地域では、世界地図よりも、土地台帳としての地籍図が粘土地図として多く発見されているそうです。
むしろ、そうした生活に密着した地図を拝見したいものです。

こうした、世界観は、やがて紀元前3世紀頃のエラトステネスの地図に発展していきます。
次回取り上げてみます。