このところ、青山学院女子短期大学教授の清水眞砂子さんの著作にはまっています。
本日の記事は次の1冊から拾いました。
『幸福に驚く力』 清水眞砂子著
かもがわ出版 2006/7/15 第1刷発行 1700円+税
私は、あと半年ほどで60になるのですが、人間って、自分で選んでいるつもりだけれど、実は選べることなんて、本当にわずかしかないなということが、やっとわかってきました。むしろ、私たちが生きていくことは、本当のところ、外からの要請に応えていくことではないだろうか、と思うようになっています。もうひとつ、私がテナーが好きなのは、泣きごとをいう何の力もないゲドを、彼女がちゃんと受け容れて、抱きしめて、そんなゲドと一緒に歩いていこうとするところです。彼女はゲドともう一人、これまた血のつながりのない、火傷を負った子どもとで、ひとつの家族をつくり、新しい人生を歩きはじめようとしている。そういうことが、あの作品で書かれているのです。(本書p31~)
「人間って、自分で選んでいるつもりだけれど、実は選べることなんて、本当にわずかしかないなということが、やっとわかってきました。むしろ、私たちが生きていくことは、本当のところ、外からの要請に応えていくことではないだろうか、と思うようになっています。」の箇所に、私も共感しているところです。