こあらさんの苗木

こあらさんはお父さんとお母さんの間で生まれた一粒の種でした。


そのたねは小さな鉢に植えられました。


お父さんとお母さんは毎日水をあげました。

肥料を与えて、大事に大事に育てました。

二人は毎日手をかけて、お世話しました。


すると、そのたねは。。。


朝の日差しがやわらかく降り注ぐ中、たねの殻をやぶって芽をだします。

たねの中のあたまが重たいのか、根の部分がちょろりと見えます。

二人はたねの発芽を喜んで、またさらに幸せという水を与えていきます。


そして

いよいよかわいい双葉が。


降り注ぐ太陽の日差しと、二人の与える水や肥料で、そのたねはどんどん大きく成長していきます。


どんどん大きく成長して


りっぱな苗木に成長しました。


元気よく成長したので、もう小さな鉢の中ではこれ以上成長することはできません。


こあらさんは気づきました。

お父さんとお母さんにたくさんの愛情で育てられたこと。

ふたりの作るひだまりのような中で守られ大事にされていたこと。


そして、この二人のようなあたたかい空間をこあらさんも作ることになるんだって。


こあらさんは植え替えられることになりました。


こんどは、だんなさんという大きな大地。


大きな大地にのびのびと根を広げていきます。

根がしっかりと広がっていくから、今までよりもどんどん大きく成長していきます。

自然の中に存在しているものだお手伝いしてくれます。


太陽が光を。

雨が水を。

そして大地から栄養を。


こあらさんの花が咲きました。

お父さんやお母さんはうれしそうにその花を見ています。

きれいな花をみんなが見に来ました。


やがて実をつけました。


お父さんやお母さんがしてきたことを、こあらさんがする時がきています。


こあらさんは楽しみしています。

そのときがくることを、楽しみに待っています。




おとうさん、おかあさん、ありがとう。


今度はわたしが、ひだまりの空間をつくるね。