クニアキンの日記

日々、興味を持ったことなどを調べたりして書いていきます。
旧日記の復元については7月13日の日記をご覧ください。

正高 信男「0歳児がことばを獲得するとき: 行動学からのアプローチ (中公新書 1136)」(1993)

2024-06-11 20:46:27 | 読書
正高 信男「0歳児がことばを獲得するとき: 行動学からのアプローチ (中公新書 1136) (1993)

子どもの言葉の獲得は昔から興味のある話で、近くに住んでいる次女が4月に出産したばかりということもあって、百均本で見つけ迷わず買いました。

こちらからの働きかけについて、かなり早い段階から反応があるというのは自分の子どもたちを見ていても感じましたが、それを科学的に「実験」によって解明しようという話です。ただ、生き物を対象とした「実験」なので、我々物理的、化学的な実験とはだいぶ説得力が違うような気もします。
以下、本書の主張と思ったことを抜粋要約しておきます。

生まれて間もない段階で、母親の声を聴き分けている。(子どもの視力は、幼稚園に入ってからようやく成人並みになる。)
この実験では聴き分けているかどうかの判定を、人工の乳首を吸う頻度でしています。ちょっと不思議な判定方法ですが、それ以外に調べようがないということだろうかなと思いました。

赤ちゃんは母乳やミルクを飲む時に、吸っては休み、吸っては休みを一定の長さで繰り返している。母親は赤ちゃんが吸うのをやめると、無意識に赤ちゃんを優しく揺さぶる。その揺さぶりがあると、赤ちゃんの吸っては休みのリズムが安定し、赤ちゃんと母親のコミュニケーションの役割を果している。赤ちゃんの成長につれて、このサイクルの時間が短くなっていく。

4か月になると、自分の発声に対し母親が真似て反応すると、それが分るようになってくる。

3か月過ぎに、赤ちゃんの喉は成人の喉と近くなり、声帯の振動を口腔で共鳴させて母音様の音を出せるようになってくる。

母親が赤ちゃんに向かって、語りかけの最後で音の高さが上昇するタイプ(上昇型)の「母親語」で語りかけると、赤ちゃんは、それに対して、やはり上昇型を模倣して反応する傾向がある。

ポルトマンのヒトの赤ちゃんが「生理的早産」であるという説は、赤ちゃんは受け身であるという見方に大きく拘束されているが、ヒトの赤ちゃんは、驚くべき積極性を持って、外界にかかわりを持つようにできている。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アガサ・クリスティ、中村 能三 訳「七つのダイヤル」

2024-05-23 21:55:43 | 読書
アガサ・クリスティ、中村 能三 訳「七つのダイヤル(創元推理文庫308)」東京創元社(1963)
百均本で購入したのですが、最近は「七つの時計」という題名の方が通りが良いようですね。
登場人物が多く、しかも様々な呼び方をされるので大変でした。バンドルとかロレインとか、若い女性が活躍することもあって、段々に惹きこまれました😊 
ミステリーとしては特にどうというところもないけれど、娯楽小説としてそれなりに楽しめたかな、といったところです。

p.40 に思わせぶりに出てくる「四年前のあの事件」、前作の「チムニーズ館の秘密」のことなのだと、後から知りました。そちらから順に読んだ方が良かったのかな?

p.18 末から頻出するソックス愛用の言葉「調子いい」が、原文では何なのだろうと気になりました。
web 上で原文が見えたので調べてみたら subtle でした。でも、p.34 に「とらえどころのない人」と訳されているところも、He’s subtle でした😐 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

奥四万湖の水没林

2024-05-22 18:23:43 | Virtual 旅行
新聞で奥四万湖の水没林の写真を見て、水面から出た木々の周をぐるりと囲む境界のようなものが見えていて、不思議に思いました。
地理院地図(左)を見ても、どこかよくわからなかったけど、Google Map(右) を見たら、一発で分かりました。
 
半島状に突き出た部分(「浮島」とか呼ばれている)の形と一致しています。
さらに Google の衛星写真は、水位がずっと低下した状況の写真で、「浮島」部分は平坦で、その周りは急な崖になっていることが分かります。

さらに崖の下にも平坦な土地が広がっていて、明らかに山を削ったように見えます。工事事務所とか建っていたのかな? などとも思いました

そこで国土地理院空中写真の、1995年撮影写真(KT951Y-C4-12.jpg)を見ると、この平坦地が作られつつある様子が分かります。ちなみに四万川ダムは1991着工、1999竣工、とのこと。

ここでふと、原石山?と思い至りました。

確かにそのようです😊 
四万温泉へ - ねこのらーゆくん に、赤沢やすらぎ広場…原石山跡地、ダム湖・堤体を一望 とあります。
群馬県立図書館あたりにでも行って
群馬県中之条土木事務所編、「四万川ダム工事誌」群馬県土木部(2000)
を見るとはっきりするかな😐 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

小泉 喜美子「血の季節」

2024-05-15 21:47:55 | 読書
小泉 喜美子「血の季節」宝島社文庫(2016)
数か月前に百均本で見つけ、ミステリの翻訳で著名な著者の作品ということで買ってみてあったのを、積読本の中から見つけて読んでみました。

webの書評でネタのキーワードを知ってしまっていたので、読んでいてところどころに張られた伏線を、「あ、来たな」と思いながら読んでいました。
予想通りの irrational 話かと読んでいたら、突然 rational 話風になったはいいけれど、ミステリによくある犯行動機の必然性もなく、最後にまたちょっと変にひねられたりしていて、全く期待外れでした。
そんなことで逆に、この著者の「弁護側の証人」は読んでみないといけないかなと思いました😐
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遠い記憶が繋がる驚き

2024-05-14 21:26:26 | 天文
小学校時代、父に連れられて清水に行って、「三五教」と書いて「あなないきょう」と読むいう奇妙な名前のバス停から乗った遠い記憶があります。今はどうなったいるんだろうと検索してみました。すると、これまた過日、遠い記憶から蘇った草場修氏(草場修氏のこと - クニアキンの日記)を見出した天文学者 山本一清博士と三五教の繋がりが明らかになり、
これも小学生の時に沼津の香貫山頂に見えた奇妙な建物とも繋がりました。
そしてその建物は、今でも時々名前を聞く月光天文台に繋がっていたとは😲 
 坂井 義人「山本一清博士他界前一ヵ月について」第7回天文学史研究会
さらにもう一つ、私が中学生当時、静岡市児童会館屋上の天文室におられた、柴田宸一氏のお名前もこれら香貫山天文台関連資料の中に散見されたのも驚きでした


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする