「アメリカの空港に着陸する前、窓からはたくさんの製鉄所の煙突が見えました」
「どこでしょう?」
「ピッツバーグ」
地理の先生の授業、光景は今でも覚えてる。
いま風に言うと「つかみの上手な授業」だった。

旧堺灯台を散歩すると、いつもその地理の授業を思い出す。
※ピッツバーグ:USスチールの本社がある
石碑

その先生の夫がうたった「燈台の光を見つつ」を刻んだ石碑が旧堺灯台のそばにある。
昭和を代表する詩人。
燈台の光を見つつ
くらい海の上に 燈台の緑のひかりの
何といふやさしさ
明滅しつつ 廻転しつつ
おれの夜を
ひと夜 彷徨(さまよ)ふ
さうしておまへは
おれの夜に
いろんな いろんな 意味をあたへる
嘆きや ねがひや の
いひ知れぬー
あゝ 嘆きや ねがひや 何といふやさしさ
なにもないのに
おれの夜を
ひと夜
燈台の緑のひかりが 彷徨ふ