毎日の勤行、朝、晩のお勤めには欠かせません。
前回、十善戒まで行いましたので、今回は発菩提心真言(ほつぼだいしんしんごん)から紹介します。
発菩提心真言(菩提心をおこす真言)
私は、悟りを求める心をおこします。
解説 私たち人間の生命は尊き仏さまより授かった生命ですから、仏さまと同じ身体を持ち、
仏さまと同じ心を持っています。
仏さまの心、すなわち人間に本来備わっている本当の心に目覚める事が
さとりを求める心をおこすということです。
三摩耶戒真言(誓いの真言)
あなたは、仏さまと一体平等であります。
解説 仏さまの生命より生まれた、ひとり、ひとりの人間は、仏さまと異ならず一体平等であること を自覚する戒めです。
また、真言宗の信者になる為の最も大切な真言ですから、
仏さまとの約束の真言でもあります。
開経偈(読経の始めのことば)
このうえない深く尊い仏さまの教えは、長い時間を経ようともなかなか出会うことはできません。
私は今、幸いにもめぐり合い、手にすることが出来ました。ただ、願うところは、
仏さまの本当の教えを体得したいものです。
解説 この偈文は、仏さまの教えを説くありがたいお経を手にした喜びと、そのお経の奥深い教え を体得したいとする願いを表しています。
だから、お経を開いて読経する前に唱えます。
般若心経
「般若心経」は、278文字の短いお経ですが、古くから苦しみや、悩みを取り除くお経として
盛んに読誦、写経され親しまれてきました。
「般若心経」と一口に言ってもその内容は大変難しく、簡単に理解出来るものではありません。
(仏説摩訶般若波羅密多心経)の経題から理解すると{仏さまの説かれたすぐれた仏さまの知恵 によって、仏さまの国に着く為の真実を説く経典}です。
つまり、私たち人間が本来備えている浄らかな心(仏さまの心)をさまざまな修行によって開発し
完成させる為の真髄を説く大切なお経です。
真言宗では、この大切なお経の中で特に本文最後の(偈諦偈諦波羅偈諦波羅僧偈諦菩提薩婆訶)という真言を最も大切にします。
お大師さまはこの真言について次のように言われています。
◎真言は不思議なものです、心で観てお唱えすれば、愚かな迷いを除く事が出来ます。
その真言の、一字、一字に奥深い百千もの理(ことわり)を含み、それによってこの身、このまま に仏さまの真の教えを証ることが出来ます。
お大師さまの真言が「般若心経」の象徴であり、真髄であり、一心に唱えると、計り知れない功徳
を体得することが出来ると説かれています。
読誦、写経をするときは、この真言の部分を特に大切にしたいものです。
次回は、十三仏さまのお話をしたいと思います。
|