ほんの小さな幸せ~

編み物のことや花、時々ペットや書道のことも。日々の感動などつらつら綴っていこうと思います

蜩ノ記 ひぐらしのき

2014-10-16 21:41:07 | 映画
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蜩ノ記を観た
TVや新聞で情報を見るたび、早く観たいものだとワクワクしていた
やっと実現して 今は至福の気分である



豊後の羽根藩。元郡奉行の戸田秋谷(役所広司)は
ある事件を起こしたとして10年後に切腹することを
そしてその日までに藩の御家譜を完成させることを命ぜられる

切腹までに後3年という頃
これまた城中で喧嘩騒ぎを起こし、
命によって秋谷の監視役となった檀野庄三郎(岡田准一)が
家譜の清書をするなどして秋谷と生活を共にするうちに
秋谷の事件に疑問をもっていく

切腹の原因になった事件に一つも言い訳をせず黙々と家譜作りに勤しむ
後3年で切腹する人とは思えない淡々とした毎日
家族もそれを支えている

淡々と過ごす秋谷は
「死を恐れていない訳ではない。命が惜しくて眠れぬ夜を過ごすこともある。」
「人は誰でも死ぬ。50年後100年後には寿命が尽きる。それがしは、
それをあと3年と区切られているだけのこと。されば日々を大切に過ごすだけである」
と、庄三郎にいう


やはり中根家老が自分の身を守るため また秋谷と最後まで競うため仕組んだことのようだ


秋谷は家譜を完成させた後、家族と庄三郎 領民を守るために、切腹の命を果たした


この「蜩ノ記」を観て感じたことをかいておきたい

所作 立ち居振る舞いに感動。
秋谷が書状を開く時の手の動きや
お辞儀の時の手の動き 上半身の傾き加減などハッとさせられた。

実は、着付けの先生から和服を着た時の所作を口うるさいほど仕込まれた。
随分前に亡くなられたが、この映画を観て先生の教えを感動と共に思いだした
先生も凄い人だったのだな と。

岡田准一の時代劇役者として、また確実なものにしたに違いない
(この映画は「軍師官兵衛」の前に撮っている)

切腹の時に着る白装束を妻の織江(原田美枝子)が縫っていた。
その日髷も整えてやる。
どんな気持ちで針を動かし、髷を整えられたのだろうと思う




 最後の日、織江が点てたお茶を書斎で飲みつつ ・・・

秋谷が織江の手を愛おしむように握りながら聞いた
「われらはよき夫婦であったとわたしは思うが、そなたはいかがじゃ」
「さように存じます。わたくしはよき縁をいただき、よき子らにも恵まれたと思うております」
「悔いはないか」
「はい、決して悔いはございませぬ」
織江が迷いのない返答をすると秋谷も微笑む
「わたしもだ」
言いきった秋谷は、織江にやさしい眼差しを向ける


涙 涙 なみだ ・・・・


涙がとまらなかった