
まず、7月17日に開催された、この企画展に参画された報道各社の方々によるギャラリートークを伺いに訪ねました。
きのこ雲を原爆投下後最も早い時間に撮影したもの、最も近くで撮影したもの。
市内で被爆された人々の姿。写真とキャプションだけではなぞるような感じになっていたかもしれないけど、ギャラリートークでその写真に込められた撮影者の想いを知り、また原爆投下から8月15日までの戦時下と、米軍による報道統制下、そしてその間の期間において、記録することの意味や規制の掛けられ方について知った。さまざまな規制に抗い、すり抜け、被写体となった人々に対し苦しみを感じながらもシャッターを押した方々が残された数々の写真。話をしていただいた方々もそれぞれ強い思いを持たれていて、さまざまな思いを抱えて会場を後にした。

購入した図録で写真を再確認し、改めて会場を訪ねた。
写真に記録された方々のその後についてギャラリートークで伺い、そのエピソードにこみ上げるものがあった。こうの史代さんの 『夕凪の街 桜の国』を思い出し、いくつもの現実があったこと、その一つひとつの重みを感じた。
眼を背けたくなる写真も多いけど、それが80年前に現実に起きたこと。人々の姿や街の様子を記録してくれた方々の想いを感じる機会はとても貴重な経験となった。願わくば、こうした機会を多くの人が持てたらいいなと思う。
勇ましい言葉が受け入れられやすいのはいつの時代も同じなのかもしれないし、僕自身もそういう気持ちになるときがある。でも、そこでちょっと立ち止まり、自ら考えてみるということが大事だし、そのためには判断に資するための情報が必要だ。

「このような記録は、私たちの写真が永遠に最後であるように」という言葉をバトンに込め、次の世代へと繋いで行くことの必要性を感じるとともに、ささやかながらもそのバトンを繋ぐ力になりたい。そして、遠くない先に広島の平和記念資料館を再訪したい。
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