セイショウ坊のブログ

埼玉県飯能(はんのう)市 真言宗智山派・円泉寺住職です。
円泉寺ホームページにもブログがございます。

お寺の立場で夫婦別姓を考える

2022-01-15 08:33:34 | 日記
確か内閣府による4年前の発表によると、夫婦別姓が「賛成派(42.5%)が反対派(29.3%)」となったそうです。

私の意見は、お墓の継承がどうなるのだろうと心配がばかりで、気持ちの上で賛成反対が揺れ動いていています。
お寺の立場で言えば反対でしょう。



今では子供は娘ばかりの家も多く、○○家の墓となっているお墓では、お墓の継承が難しい場合があります。
長女のご主人が跡取り息子である場合もあるわけです。



以前ですが、あるお寺では両親とは別姓のご主人の葬儀を行いながら、いざ納骨の段にになると、「姓が異なるので納骨はさせない」と言われたことがあるそうです。
お墓は永代供養にし、別にお墓を求めるよう言われたそうです。

このようなことで当寺に来られたことが二件ありました。
1件は当寺の永代供養塔に先祖と一緒に納骨されました。
2件目は、相談者近くの断った同じ宗旨のお寺を私が薦め、先祖代々之墓と彫り、引き墓をしました。

今は時代が違います。
当寺でも子供がいない、娘ばかり、結婚しなかったなどの家では墓じまいをして、永代供養に変更した檀家さんもいます。他のお寺や霊園に行った家もあります。
ますます増えるでしょう。
廃寺とならないようにする為には、或いは遅らせるには、今までと同じ様な感覚でいるわけにはいきません。

娘婿の了解が取れれば、お墓の文字は「先祖代々之墓」と彫っていただくようにしています。
しかし、あくまでも苗字を入れることにする親御さん多いですね。

霊園などでは、「愛、憩い、雲」など自由に出来るメリットもあります。
しかし、ある方は近くの墓の方が新興宗教に入っていたため、ずっと団体で拝んでいることがあり、お墓参りに行っても、いやな気分で帰ることもあると話していました。

当寺の檀家さんですが、一件で三件のお墓を継承した家があります。
自分の家、奥さんの実家、叔母さんの家です。
どこも親戚が一緒にすることや、永代供養にすることを反対しています。

お墓を引き継ぐ人だけでなく親族も、苗字、お墓にこだわる人が一杯います。

夫婦別姓が当然の時代になると、お寺の過去帳は大変なことになります。
一家三代に苗字が異なる人が5名、祖父、祖母、父、母、嫁さん。
子供はどちらの姓を名乗るのでしょう。

さらに子連れで再婚、苗字を替えなかったらば?

郵便屋さん、宅配屋さん、学校、役場などなど、お寺でなくても混乱するでしょう。





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