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幸野友之の巻

2006-05-29 01:33:59 | Weblog
今日は稽古最終日。いよいよ明日は小屋入りです。
本当に今日まで色々ありました。
実は今日も色々ありました。
しかし、昨日も書きましたが感傷に浸ってる暇はありません。
すごいものを世に出そうとしてるわけですから、そりゃ色々あります。

早速ですが役者紹介です。今回は幸野友之(方南ぐみ)です。
彼との付き合いも随分古いです。
いつ、どこで出会ったかは残念ながら全く覚えていません。
一番遠い記憶で覚えているのは、明大前の「つけめん大王」という店に
一緒に入った事です。
何を食おうかと店内を見回した所、ものすごいインパクトのある名前の
メニューが目に飛び込んで来ました。

<激定食 700円>

え?激定食?何それ?
その定食に二人して心を鷲掴みにされ、それを頼まざるを得ない状況になりました。
頼んでみたら何てこたあない、ちょいと辛目の肉野菜定食でした。
まあでも、そういうおもしろ体験を共有すると
何かしら戦友のような、妙な連帯感が生まれたりするわけで。
その帰り道
「今度、激定ブラザーズってユニットでも作るか!」
などとバカな話で盛り上がったりしたわけです。

その事が僕の頭に残っていたのでしょうか。
今回キャスティングするに当たって、彼の名前は割りと早い内に出てました。
彼にはほのめかす程度にしか伝えてませんでしたが。
彼も不安に感じてたのでしょう。
何ヶ月かに一遍
「プロデュース公演の話は本当なのでしょうか?」
などと聞いてくる始末。
彼に参加してもらうのは僕の中では決まっていたのですが、
ちょっと面白くなってしまい
「本当にやるけど。あれ?お前関係あるんだっけ?」
などと返したりしてました。
幸野よ。もてあそんですまなかった!

めでたく参加となったわけですが、正直最初はどうなるかと思いました。
本読みの時点で「これは時間かかりそうだ」と覚悟しました。
今回、達者な役者が揃ってるだけに余計に目につきました。
たしかに器用な男ではありません。
技術があるわけではありません。

けれど、演劇というものを愛してるんでしょうね。
実は一番最初に本を放したのは彼でした。
本読みの翌日くらいにはもうセリフを入れて来てたんです。
完璧に入っていたわけではありません。
けれど彼の心意気は、とても僕を嬉しくさせました。

そして最近、何だか変な味みたいなものも出てきました。
芝居的には全然駄目なんだけど、それも許せてしまう何かが出てきたんです。
その証拠に、彼はよく”やらかす”のですが、
それに対して怒る者は誰もおらず、むしろ稽古場の空気を和やかにさせたりすらしているのです。
彼が真面目に取り組んでる事を皆が分かっているからです。

どんどん良い味が出てきた幸野、また<激定食>食いに行こうな!


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