3月1日(日)、湖山池(鳥取市)の伝統漁『石がま漁』が3年ぶりに行われました。場所は湖山池の北西部にあたる三津という地区で、現在使用できる3つの石がまで、午前8時半頃から一斉に始まりました。


この日はあいにくの冷たい雨で、手もかじかむような寒さ。石がま揚げ(実際に漁をすることをこう呼びます)にはもってこいですが、やっぱり寒い!!!

赤松の突き棒を突き穴に挿し、寒ブナを石がまの岸側にある胴函(どうかん)と呼ばれる木箱の中に追い込んでいきます。

ひたすら突きます。・・・おや? 堤防の上に一升瓶と缶ビールが・・・やっぱり寒い時はこれでしょ。昔ながらの知恵?でしょうか。

ひたすら突きます。やっと半分くらい。魚がいれば、突き棒の感触でわかるとか。

途中、地元の子供たちが石がまに渡って作業を体験。

寒い中、一生懸命突きました。しかも、女の子ばっかり! 男子どうした!!??

遊覧船からも声援が!

おにぎりをほうばりながら、ひたすら突きます。休んだら、せっかく追い込んだフナが逃げちゃうので・・・ひたすら突きます。

ようやく胴函まで追い込んできました。胴函の入口を閉じる板を差し込みます。いよいよラストスパートです。ひたすら突きます。

胴函の入口が閉じられました。これで寒ブナは一網打尽です。

胴函にかぶせてあった菰(こも)が外されます。

胴函の上を塞いでいた板が外されます。


胴函の中に沈められていた柴木(椎の木)を取り出します。これはフナが胴函に入りやすくするためのものです。

さあ、ようやく専用の網でフナを引き上げます。


活きのいい寒ブナが揚がりました。
この日の作業は正午にはすべて終了。実際にはもっと時間をかけて(7~8時間)行われていた漁ですが、今では文化の継承が目的ですので、短縮バージョンです。収量も黄色い収穫コンテナ一杯分ほどでしたが、湖山池伝統の『石がま漁』を実際に見られたことは、新たな発見もあり、大変勉強になりました。
冷たい雨の中、大勢の方が作業を行われました。大変ご苦労様でした。

きちんと後片付けをされた石がま。また来年のための準備が始まります。