こうのとりちゃんを待つ日々・・・ななの不妊治療NOTE

39歳、結婚9年目。子宮内膜ポリープ切除2回、稽留流産を経て体外受精3回目で妊娠継続中です。双子であることが判明!

手術当日

2009-04-25 | 稽留流産
9週1日目に当たる金曜日、午前10時半ごろクリニックにダンナちゃんの車で行った。


いつもどおり混んでいたので待たされることは覚悟していたが、数分で呼ばれ内診室へ。


先生はあっという間に内診を済ませた。


私はもっと時間をかけてもう一度心拍を確認してほしかったのだが、言い出せなかった。


「まだ子宮内膜に出血はないようなので、大丈夫だと思うけど・・・土・日を挟むからね・・・今日手術しますか?」


「お願いします」


「じゃあ今から準備します。今日はもう1人予約が入ってるし、朝ごはん食べてきちゃったんですよね?じゃあ手術は14時過ぎですね。帰れるのも遅くなるけど今日の予定は大丈夫ですか?」


「はい」


そこですぐに子宮口を広げる薬を入れられて少しそのままにした後、病室へ移動。



あっという間に手術することになってしまった。



待合室にいるダンナちゃんには個室のベッドに横になってからメールをし、看護師さんにも手術のことや帰れる時間などを説明に行ってもらい、また後で迎えに来てもらうことにした。



ここから14時まではほっとしたことで、赤ちゃんと別れる悲しみよりもここでちゃんと手術ができるという安心感の方が強く眠ることができた。



看護師さんが何度か来てくれた時にさっき聞けなかったことを聞いた。


「先生、さっきの内診のときもう一度心拍は確認してくださったんですよね?なんだかあっという間で・・・ちょっと心配になったものですから」


「大丈夫ですよ。先生は確認してらっしゃいますよ」



「そうですか。わかりました」



今更だったし、子宮口を広げる処置をしてしまってから聞いたところでどうにもならないだろうし、その看護師さんはさっきの内診にはいなかった人。


でも自分の気持ちのために聞いた。やっぱりだめだったんだと、可能性はなかったんだと言い聞かせた。




14時になり手術の準備が始まった。


まず局部麻酔の点滴。入らなくて一度やり直しになり痛かった。


次に肩に筋肉注射。これも麻酔だという。痛かった。


14時半よりは前だったか、手術室に向かった。


手順は前回の子宮内膜ポリープ切除とほぼ同じだったようだが、痛みは全く違った。


痛い消毒のあと、局部に今度は直接麻酔の注射。これも痛い。


手術自体、自分でも驚くほど痛かった。麻酔を3つもしているにもかかわらず。


途中で呼吸が苦しくなり、吐き気を催した。


「大丈夫ですか?」と数回先生や看護師さんから声をかけられたが、大丈夫とは答えられない感じで「苦しいです」とか「気持ちが悪い」というのが精いっぱいだった。


もっと悲しい気持ちになるかと思っていたが、それどころではなかった。


とにかく早く終わらせて!というのがその瞬間の気持ちだった。


自分がどうにかなりそうで怖かった。








やっと終わった。


きっと20~30分くらいの時間だったと思うがこれ以上続いたら本当に耐えきれなかっただろうと思う。


手術台から起き上がれますか?と看護師さんが聞いてきたがとても無理。


足は震えが止まらず、今にも吐きそう。痛みもひどい。


「車いす持ってきて!」という声が聞こえたが「ストレッチャーにして!」と私の様子で変わったらしい。


ストレッチャーに移るのも一苦労。


寝たまま病室に戻ったがこの数メートルの距離の移動でも吐き気が増幅する。


自分のベッドに横たわったが、足の震え?痙攣?が止まらずお腹もすごく痛い。


吐きたくなったらこれに、と器を顔のそばに置かれ、点滴を子宮収縮剤に変えられた。


呼吸は浅いままで肩で息をしてしまう。どんどん早くなってしまう。


看護師さんが1人しばらくついてくれて肩をさすりながら「ゆっくり呼吸しましょう」といってくれるのだがお腹の痛みと吐き気でどうにもならない。


麻酔の影響で口の中がカラカラでしゃべることも辛いのだがなんとか声を絞り出して聞いた。


「このお腹の痛みはいつまで続くのですか?」


「今、子宮収縮剤を点滴しているのでこれが終わるまで20分くらいは・・・」


「すごく気持ちが悪いのは?」


「子宮をいじるとどうしても吐き気は伴ってしまうものなんですね。だんだんおさまってくるとは思いますが」


「足はどうしてこんなに震えてるんですか?」


「たぶん、痛みに耐えたので筋肉が緊張してしまったからだと思います」


とてもゆっくり小さい声で丁寧に優しく答えてくれた。


苦しい中でも、少し気持ちを落ち着けることができるようになってきた。


そばにいてくれるだけでもありがたかった。


看護師さんにダンナちゃんに「終わった」という電話をしてくれるようにお願いし(自分で「終わったらメールするね」なんて言ってたができるような状態ではなかったので)そこから1人で痛みに耐えた。


あまりの辛さに何かを考えていないとおかしくなりそうで、ディズニーシーを思い浮かべようとした。


今度遊びに行ったら、どのアトラクションに行こうか必死で考えた。


マーメイドラグーンは絶対に行こう!あのショーは素晴らしかった・・・などと意識を一生懸命別のものにむけようとして頑張った。


私は自分では痛みに弱い方ではないと自負していた。


今までも子宮内膜ポリープの手術を2回受けたり、採卵も麻酔なしで大丈夫だし、この手術に関してもそんなに心配していなかった。


でも、想像を超えたこの痛みには「こんなことは二度としたくない。こんな思いをするかもしれないならもう妊娠もしたくない。出産なんて到底無理だ・・・」などと思ってしまった。


初めての流産でこんな思いをしている私・・・。


何回もの流産を乗り越えている人だっているのに・・・ダメな私。


流産をした人の気持ちは全然わかっていなかった。


心の痛みを想像することはあったけれど、身体の痛みもこんなに伴うなんて・・・。


神様による試練だとするならば、あまりにも辛い試練だ。


心と体の両方がダメージを受けるというのは1+1=2ではない。


2以上、合わさったことでもっとひどくなるものなのだ。






でも、手術直後の私にはそこまではわかっていなかった。


とにかく痛みから解放されたい一心で、その後の気持ちの落ち込みまではこのときは想像できなかった。


17時ごろダンナちゃんが迎えにきて、先生のお話を一緒に聞き、薬を5日分処方され、1週間後に術後の診察に来るように言われ家に帰った。