手話通訳者のブログ

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尊敬する先輩手話通訳者

2016-09-29 08:29:27 | 手話
Wさんは、本当に、手話通訳者派遣制度が始まった時から活動している。
制度そのものを作るための運動を、ろう者たちと共にやってきた人。
その人が、今も現役。
80代である。立派としか言いようがない。
そして、でしゃばったり、威張ったりすることは一切ない。

この方も、地元手話世界では「Wさんを知らない人はいない」という方。
しかも男性である。
制度創設時、男性手話通訳者はWさんだけだった。

ろう者からの支持は絶大。
年配のろう者は尊敬を込めて「W先生」と呼ぶ。
俺はあの方のことも、カリスマ手話通訳者のことも、さん付けで呼ぶ。
先日、地元ろう者と話していてWさんの話題となった時、
「先生と呼ばんかい!」
と叱られた。

もちろん、かの先生方が講師となって手話通訳者研修に来られた時は、当然ながら、「先生」と呼ぶ。


Wさんから、直接教えを受けたことはない。
でも、間接的に、常に指導していただいている。
ろう者から彼の悪口を聞いたことはなく、常に尊敬、賞賛の噂を聞く。
今、80代のWさんは公的手話通訳現場にはほとんど姿を現さなくなった。
でも、相変わらず超多忙らしい。

Wさんの週末は、朝一番で知り合いのろう者の葬儀に参列し、終わったら急いで帰って着替えて、若いろう者カップルの結婚式に出てスピーチ、みんながお祝い会に移動する時、Wさんだけは遠方まで電車で出かけ、ろう者の相談に乗る。
こんな様子らしい。
聖人と言ってよい。


年配のろう者から、
「あんた、まだまだやで。W先生みたいにならな」
と言われることがある。

Wさんの足元にも及ばないが、まあ焦らず、できることをやっていこうと思う。