手話通訳者のブログ

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手話通訳者の失敗談

2016-09-18 10:02:27 | 手話
このブログでは、派遣者や他の通訳者を批判することが多い。
「あんたは完璧だとでも言うんかい!」
というツッコミが聞こえてきそうや。

完璧なわけないやんか。
今日は失敗談を書かせてもらお。

ある日の朝、目を覚まして時計を見た瞬間、飛び起きた。
8時過ぎとるやんけ!
今日は9時から通訳・・・ギリギリだ!
朝食どころではない。急いで顔洗って家を飛び出した。

ギリギリセーフ。
通訳終わったとき、時計を見ると正午を回っていた。
腹減った・・・朝メシ、いや、昼飯にしよう・・・
そのとき、携帯が鳴った。派遣者からだ。

「たいしさん、急な依頼で申し訳ありませんが、今から通訳お願いできませんか?」
えっ、今から? 場所と開始予定時間は?
「駅裏です。午後1時待ち合わせです」
ぎりぎり間に合うな・・・了解!

急いでバス停に向かう。移動予想時間は約45分。ギリギリや。

予定時刻の3分前に到着。駅裏の○×歯科。
ほぼ同時に申請者のSさんも到着。
評判のいい歯医者で、混んでいる。混んでいるが、今日は子供の患者さんはいなくて、シーンとしている。
その時。

ぐるるる・・・

腹が鳴り始めた。
うわ・・・
腹を押さえたが、ますますでかい音で鳴り始めた。
やばい・・・

ろう者の視線は鋭い。
音は聞こえていないだろうが、人の表情の変化にはすぐに気がつく。

「たいしさん、どうしたの? 変な顔して」
実は・・・
「あははは! まだ待ち時間長いと思うから、ええよ、外で食事してきて」
いや、終わってから、ゆっくり食事するわ。


あれ以来、通訳に行く日は異状なぐらい食欲旺盛になる。
恥ずかしい経験が心に刻まれているのだろうか、「食べなきゃ」という脅迫観念みたいなものにとらわれているらしい。