手話通訳者のブログ

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手話通訳の現場から/広域派遣

2016-04-27 12:38:50 | 手話
手話通訳者派遣制度は市町村が行っている。
従って、当該市町村以外(例えば隣町)への派遣は、断られてしまうことが多い。
高松市で手話通訳者派遣に関する裁判があったことをご存知の方もおられるだろう。
この裁判が始まってから、「広域派遣」という言葉をよく耳にするようになった。
文字通り、手話通訳者派遣制度実施主体である市町村内に止まらず、広い範囲に手話通訳者を派遣することである。
市町村の境界線を越えると、行政上、現地市町村の管轄となってしまう。
だから、地方行政の壁を越えるためにも、手話言語法という法律が必要なのだ。
ただし、手話言語法がなければ何もできないわけではない。
実際、わしらの地域でも広域派遣は始まっている。

地元でも長年、問題視されてきた。
四半世紀前は、市外への派遣はしてもらえなかった。
数十年の時を経て、地元ろう協の要望を受け、少しずつ、条件付で認められるようになった。
条件とは・・・
「手話通訳者の交通費のうち、市外の交通費は、申請者個人が負担する」
これが、ものすごく抵抗があった。
通訳終了後、申請者さんに、市外分交通費を請求して、現金でもらうのだ。

おかしいやんか。ケチくさいこと言わんと、市の予算から出してやらんかい!

ずっと、そう言ってきた。
ようやく、本当に、ようやく、派遣者が、
「市外への派遣も申請者負担なしで対応します」
と言ってくれた。2014年の秋であった。
まだまだ、周知されていない。派遣者は、制度利用者が急に増えることを懸念しているらしく、周知するどころか、隠しているように見える。残念なことや。