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手話通訳者のブログ

田舎の登録手話通訳者のブログです。

不都合な真実/手話通訳者派遣制度の内情

2015-03-05 00:23:03 | 日記
わしらの地元では、手話通訳者派遣件数は一か月あたり、約200件。
登録手話通訳者は、約100名。
このうち、5人の手話通訳者が100件の派遣をこなしている。
みなさんは、この事実、どう思いますか?


不都合な真実

2015-03-04 06:38:23 | 日記
地元では手話通訳者派遣制度が始まってしばらくすると、制度の利用者であるろう者たちが、
「手話通訳者を指名したい」
と言い始めた。
20年ぐらい前に、初めて派遣者が歩み寄り、
「行先が病院である場合に限り、認めましょう」
ということになった。

手話通訳者として、気になることがあった。

いや、気になるというより、
「数年後にはこうなるのではないか」
という確信に似た予感があった。

ろう者たちが「指名したい」と思うような手話通訳者は少ないだろう、と。

派遣者にも、手話通訳者にも、守秘義務がある。
誰が誰に指名されている、などということは、秘密にすべきである。

しかし、手話通訳者として、知りたいことがあった。
全体の派遣申込のうち、「指名」はどれぐらいの割合なのか。
一番たくさん通訳現場に出ている通訳者は年間何回ぐらい通訳に行っているのか。

しかし、派遣者に質問しても一切、解答してくれない。

なんで教えてくれへんのや?
「守秘義務があるからです」
個人名を教えてくれ、と言ってるんやない。個人情報保護法上、問題ない範囲で聞きたいだけや。
「だめです」


地元派遣者の頑なな態度には、理由があった。




ろう協の限界

2015-03-03 05:48:12 | 日記
ろう協の活動を否定する気は毛頭ない。
ろう協は絶対に必要だし、全国規模で当事者であるろう者の声を結集していかなければできないことがある。
例えば、手話言語法の制定に向けての活動など、組織として地道にやっていかなければ、実現しない。

しかし、ろう協の活動には限界がある。

例えば、ろう協の主要メンバーと意見の異なるろう者は、どうなるか。
自然に、ろう協と距離を置くことになる。
また、長年、「聴覚障害者の権利確立のために!」と活動してきた年代のろう者と、若いろう者たちの意識には大きな隔たりがある。

また、手話通訳者派遣制度などを抜本的に変えようとするなら、政治を動かさなければならない。
これが、とても難しい。
役所に陳情に行っても、なかなか、変わらない。
では政治家に働きかけようとすると、別の難しい問題が浮上する。
ろう協としての活動の場合、特定の政党を支持することが難しいからである。

なんとかせな、あかん。

「たいし一人がリキんでも、どうにもならへんで」
という嘲笑を受けながら、例え蟷螂の斧であっても、行動せずにはいられない。

孤独なカマキリの戦いについて、近いうち、書かせてもらいます。




心がけていること

2015-03-02 06:57:55 | 日記
手話通訳者は、通訳現場が大切である。
研修よりも現実の手話通訳の方がはるかに重い。
どんなに勉強していても、現場に出ない通訳者はあかん。

さて、現場で経験を積むことは大切だが、それだけでは足りない。
常に、シュミレーションを心がけている。
日常のあらゆる場面で、
「今、自分がここに、手話通訳者として来ていたら・・・」
と考えてみる。

例えば、葬儀。
手話通訳者として、ここにいたら・・・
申請者さんの隣に座る。会場の様子を伝える。申請者さんはどんな立場?会葬者か。遺族か。はたまた喪主か。
読経の時はどうする?
など。

大手葬儀社で働いている人に聞いてみた。
通夜とか葬儀の時、手話通訳者が来たこと、ありますか?

「ありませんねえ。もし、たいしさんが通訳に呼ばれたら、読経の時も通訳するんですか?」
お経なんて、ほとんど意味がわからん。お手上げやな(笑)




ICレコーダ

2015-03-01 05:33:20 | 日記
手話通訳に行く時はICレコーダを持っていく。
ミスを補うためや。
手話通訳に100%はない。
まして、俺の技術は決して優れているとは言えない。それを自覚しているからや。

スキー連盟主催の講習会に通訳に行った。
直前の通訳依頼だったため、連盟と事前にやりとりすることはできなかった。
当日、会場のスタッフさんに、「講習を録音させてもらっていいですか?」と尋ねたら、「私では判断できませんので・・・」と理事さんを呼んでくれた。
この理事さん、ちょっと怖そうな方であった。

「私たちの最新のノウハウをお教えする講習なんで、録音はお断りしています。そもそも、録音する目的は?」
私は手話通訳者です。
「ほう!」
今日の講習はスキーに関する専門的なお話だと思っています。
「その通り」
正直に言いますが、完璧に通訳する自信がありません。通訳ミスもあると思います。
「・・・」
できれば、録音させてもらい、休憩時間に、直前の話を聞きなおして、依頼者にミスの訂正と補足をさせていただきたいのです。
「そういうことか! わかった。録音を許可しよう。誰かに文句を言われたら、俺の名前を出していい」
ありがとうございます!


「○○連盟」という組織は難しい。
こういう突発的なこと(手話通訳者からの申し出など)があった時、いちいち理事さんたち全員の合意をとることは不可能に近い。
責任を一身に負い、録音を許可してくれた素晴らしい理事さんに、この場を借りて感謝申し上げたい。

当然ながら理事さんの個人名は出せないが、HPで理事さんたちのお名前は公表されている。
http://www.ski-japan.or.jp/wp-content/uploads/saj_boardMember.pdf

こういう骨のある理事さんがいるなら、スキー連盟はこれからも発展していくだろう。