爺さんが伝えたいこと

寡黙に生きて来た爺さんが、一つの言葉ででも若い人達の役に立つならば、幸いです。

高御産巣日神

2021-09-01 21:13:44 | 日記
たかみむすひのかみ。天孫降臨を司令した神聖な生成力の神。

『古事記』に登場する神で、別名高木神(たかぎのかみ)。

『日本書紀』では高皇産霊尊(たかみむすひのみこと)。

『古事記』や『日本書紀』神代上・第一段、第四の一書(あるふみ・異伝)にある天地創成(開闢・かいびゃく)神話によれば、天地のはじめに高天原(たかまがはら)に出現した造化三神のうち、天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)を継ぎ、神産巣日神(かみむすひのかみ)に先立って出現した第二の神である。

『古事記』では、別天神(ことあまつかみ)五柱の一神で、独神(ひとりがみ・配偶神のいない神)である。

神名は、「ムス=産巣・産」(生ずる・生成する)と「ヒ=日・霊」との合成語に美称(尊称)である「高御」という語が付いたもので、偉大で神聖な生成の霊力の神という意味である(漢語表記の「日」を強調して、天照大御神以前から信仰された根源的な太陽神とする説もある)。

また、高木神という別称の通り、草木植物の生成、さらには農耕の成就を司る神である。

生成という抽象性・一般性の高い働きと関係する神格ではあるが、天照大御神と並ぶ高天原の中心神として、具体的にその活動を描写されている点で、他の別天神と比べて強い存在感を示している。

『古事記』や『日本書紀』では、天照大御神と共に天孫降臨を司令する一方、単独で降臨を指揮し、天孫・ニニギノミコトを真床追衾(まどこおうふすま・神聖な床を覆う衾)に包み、天降りさせたという記述も見られる。

また神武天皇の東征の際には記紀ともに現れるなど、もっぱら天孫系神話で活躍する。

これは国津神の活動を多く記す出雲系神話に頻出する、もう一柱の生成神である神産巣日神(かみむすひのかみ)と著しい対照をなす。

つまり、天地のうち天と強く関わる天津神系の生成神という事である。

律令時代には、神祇官八神殿における祭神の一柱として重視され、天皇の寿命を守るともされた為、御魂鎮め(衰弱した魂の回復)の祭儀である鎮魂祭に祀られている。

また、大嘗祭(だいじょうさい)や祈年祭などの宮廷農耕祭儀でも祀られる点から、農耕の神としての性格も伺える。