ナイチンゲールの沈黙(上) (宝島社文庫 C か 1-3 「このミス」大賞シリーズ)海堂 尊宝島社このアイテムの詳細を見る |
「チームバチスタの栄光」と主な登場人物は同じ
続編ということですが でも雰囲気は何だかちょっと違ったような…
ミステリーというよりはエンターテイメント
ただ 前作の方がテーマが面白くてスピード感も上だったかなぁと思う
網膜芽腫という病気のため眼球摘出の手術を控える少年
病院に見舞いにもこない彼の父親が殺される
犯人も殺害方法も読者には提示されているけど 不定愁訴外来医師・田口とロジックモンスター・白鳥のコンビに新たな人物も加わり 謎を解き犯人を理論で追い詰めていく
今回軸になるのは天才的に歌のうまい小児科のナース・小夜
上手いだけではなく聴いてる人の心を揺さぶる力がある歌
彼女は歌とともに自分の思い描いた画像を相手の脳に届けることができる
『世の中には、感覚の閾値が低くて五感が混沌とするタイプの人間がいるんだそうだ。例えば味覚と聴覚が入り混じる。あるいは言語に色がつくのを感じる、とか。』
それは共感覚といって “音に色が見える”ってのもあるそうで
歌と画像を混線させる小夜の力は この「共感覚」に近いとのこと
そんな話とか 救急医療が抱える問題点とか 医者の志の話とか
書き手がお医者さんならではって感じの話題が盛り込んであって
その辺はさすがだと思う
おもしろい医療エンターテイメント小説
第3弾「ジェネラル・ルージュの凱旋」も楽しみ