【 it's not like it ought to be 】
FTD Book「Writing For The King」p.253には作者のひとり「Clive Westlake」の証言として、「Twenty Days And Twenty Nights」は
written for Glen Campbell in mind
と書かれています。
また、もうひとりの作者「Ben Weisman」の作品を集めた
「Glen Campbell」のCD「Sings For The King」には
「Twenty Days And Twenty Nights」が収録されておらず、これを判断材料にすると
「Glen Campbell」向けに書かれた歌ではありましたが
「in mind」の表現の通りに実際には提供されなかったように思います。
1970年6月4日から始まった「Nashville "Marathon"」セッション初日の
1曲目に選ばれた「Twenty Days And Twenty Nights」セッションを確認すると
特にギターが何度も練習を重ねているのが分かりますし
テイク3を歌う前にエルヴィスが「同じイントロにこだわることはないよ」と言っていて
「デモ・レコードのイントロそのままでなくても良い」と言うくらいだから
デモに聞こえる、特にギターの演奏に特徴があったものと考えられます。
セッションミュージシャン集団「The Wrecking Crew」の
メンバーのひとりである「Glen Campbell」は、
映画「ラスベガス万才」の挿入歌「What'd I Say」のレコーディングから
エルヴィスのセッションのギタリストとして参加していたわけですが・・・
私は聞いたことがないのですが、
エルヴィスに届けられた「Twenty Days And Twenty Nights」のデモ・レコードは、
誰の手による歌、ギター演奏だったのでしょうか。
【 out of line and off the track 】
アーリーテイクに聞かれるバンドの硬さの一方で、
エルヴィスの歌は最初の「PB」となったテイク3の時点で、
既に完成された「柔らかさ」が聞き取れます。
しかしエルヴィスの歌う歌詞には「Keith んとこ」で見せてもらった
「Music Sheet」とは、明らかに違うところがありました。
まずは1番の歌詞の4行目「But find that it's not ~」の「but」を
エルヴィスは「1970年6月4日」のセッション中には歌わず、
映画「エルヴィス・オン・ステージ」で撮られたリハーサルでも歌わず、
ライブで唯一歌われた1970年8月12日ディナーショー・バージョン(↓)で
初めて「but」が歌われたのが分かります (口の動きがわかる映像ってスゴイね)。
ショーの前に歌詞を再チェックして「but」の存在に気付いたんでしょうか。
そしてこちらも1番の歌詞である「Oh! Now for Twenty Days ~」を
エルヴィスは「Wow! So for Twenty Days ~」のように歌っていたのですが
すぐにハーモニーが付くところですから??、歌詞の間違いを指摘されたのか??
テイク7から「Now for ~」の歌詞に訂正されました。
「言葉のかけら」ページ
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次回の「かけら」は、「Twenty Days And Twenty Nights (20昼夜)」