よく映画などでナイフで一突きして人を殺す描写があるが、あれは現実にはほとんどありえない。ましてや素手で首の頸椎を折るのは古武術の中でも特殊な枠組みに入り、各国の特殊部隊ぐらいしかその方法を知らないであろう。けれどもコツを覚えればなんなく素手で首の頸椎を折れるようにはなる。
ハンセン病文学全集を読んで思ったが、いくら凡庸な人でも死ぬ直前になって最期の灯を灯そうと思えば灯せると云うことである。この全集の内容は衝撃的であるが、それが現実にあった以上それから目を背けるのは如何ともしがたい。いつも現実世界の奥は残酷だが目は背けたくないものである。