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窓辺の小太郎

野付半島の渡り鳥や動植物の生き生きした「瞬間の美」を目指します。

流氷が来た証拠

2020-03-06 19:12:58 | 根室の風景

オホーツク海を南下してくる流氷の動き、新年に入ると気になりだします。毎年、

流氷情報を登録し毎日見ることがルーティーンの仕事になります。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★ 流氷が来た証拠 ★

サハリンを取り囲むように南下してくる流氷群が日本に接近してくると、次は

高気圧や低気圧などの動きや配置が気になりだします。風の吹き方がどうなるか、

等圧線を眺めながら考えます。

北寄りの風が吹くと南下が早くなります。西高東低の気圧配置になると強力な

寒気が極から降りてきます。この時に氷が成長して厚くなります。厚い氷が

できれば、到着した時の迫力が一団と増します。

30年前は厚くて迫力のある厚い氷がやってきて、浜に山盛りに乗り上げて

いました。南下してきて知床半島や国後島、択捉島に当たるとせき止められます。

そこで氷が後から来た氷に押し上げられ、クラッシュ状態になります。氷の上に

氷が乗り上げ真っ平らだった流氷原が凸凹になり、氷の風景に迫力が出ます。

風で沖合に戻されたり、また寄りつくを繰り返します。寒さが厳しい時は氷群は

ばらばらになりにくく、根室海峡や国後島と択捉島の間の国後水道から流れ込ん

ではきません。2月に入り、3月に近くになると気温が上がり出します。

氷の接着度が緩みだし、強力な北寄りの風が吹くと一挙に太平洋に向かい流れ

出してきます。

これぞ動き、流れるのが見える流氷になります。根室海峡の流氷は流れの早い

水流に乗り、根室半島へ流れていきます。その時に吹く風向きで国後島側で

流れて行き、野付半島には寄りつかないことが多いのです。

しかし、東風が吹くと野付半の方へやってきます。ただ、すぐに風向きが変わる

ことが多いのですぐに追いやられ姿が無くなってしまうことが多いのです。

見かけたときがチャンス。あとで見ようなんて思うと数時間たってなくなると

いうことはよくあることです。


流氷が、根室海峡春景色

2020-02-21 19:18:07 | 根室の風景

野付半島に流氷がやってきました。去年より1週間以上は遅くなりました。

日射しが強くなり、氷の結束が緩んだせいです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★ 流氷が、根室海峡春景色 ★

オホーツク海を南下してきて知床半島、国後島、択捉島で堰き止められていた

流氷が北寄りの強風と気温の上昇でばらばらにされ、根室海峡と国後水道を通過

しだしました。

根室海峡に入ってきた氷は国後島沿いに流れていくことが多いのですが、風向き

標津の浜に向かい流れてくることがあります。流氷から見れば、寄り道です。

風が運ぶ氷は海流が運ぶ速さよりずっと早く、半島から見ているとすいすい通り

過ぎていきます。これぞ流氷と言える光景を見ることができます。

しかし、風向きが変わるとせっかく着岸した氷が沖合に動き出します。もっと

じっとしていてくれと叫びたくなるほど、憎たらしい風です。

一晩開けてみると影も形もないほどおだやかな海に戻っています。

オホーツク海側に比べると野付半島から見る氷はまことに流氷たる流氷です。

海が荒れていたことを残すのは砂まみれの氷が砂浜に打ち上げられていること

です。


太陽柱・sun pillar

2020-02-20 10:52:06 | 根室の風景

サンピラー。とうとう見ることができました。屈斜路湖の外輪山・藻琴山に

登る途中、突然谷間の一部が白く輝きだしました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

            ★ 太陽柱・sun pillar ★

朝7時30分ごろ、気温-19度、風がほとんどありません。屈斜路湖側に落ち

込む谷筋から空気中に舞い上がってくる氷の結晶・ダイアモンドダストが尾根筋

に向かいキラキラしていました。

太陽が硫黄山の方から登ってきます。雲の切れ間から顔を見せ、下の方から山筋

照らし出しました。光が空気を温め、上昇気流ができています。

それに乗って氷の結晶がふわふわ尾根の方に漂ってきているところです。そこに

光りが当たり、結晶がダイアモンドダストになり輝いてきました。

脚を止めて見ていると谷間に真っ白な柱が上に向かい現れました。大きな柱です。

上に向かい真っ直ぐに伸びています。憧れていた太陽柱です。

「sun pillar」

これまで写真でしか見たことがなかった光の柱です。イメージは谷筋にできる

細い光りの柱です。それが太くて、周りの山筋を超えています。

消えるかなとあわててカメラを連写し、絞りやシャッター速度を調整して見て

いても消えません。かえって太くなり、目立ちだしました。

スノーモンスターができていないか探しに来ましたが、尾根筋には今季はがっ

ちりと雪が張り付いたモンスターは見られませんでした。

ダルマのような形の雪の張りぼてはさっぱり。眼下に全面凍った屈斜路湖。

遠くに硫黄山から出る煙がくっきりしていました。

太陽柱はしばらく愉しめました。


ケアラシの世界

2020-02-15 19:38:19 | 根室の風景

道内での最低気温が-36℃を記録した朝、根室海峡では気嵐が発生しました。

中標津の朝4時の気温、-21℃。北西の風が強く、陸から海に向かう風です。

おそらくけあらしが発生すると確信。出かけました。

おばんです。小太郎でごじゃります。

             ★ ケアラシの世界 ★

道路は地吹雪で時々前が白くなり、ホワイトアウト状態になります。斜里岳を

超えてきた風が雪を運んできているようです。天気予報は晴れ、雪が降るとは

言ってませんでした。

海沿いに出れば気象も変わるはずです。30キロも離れていれば、雪雲も消える

はずです。

目指すは床丹の海岸。海岸段丘と湿地が続く、見晴らしの良い海岸線です。日

の出前に到着すると気嵐の気配はありませんでした。 

「けあらし」は気象用語ではありません。厳寒期に内陸から極寒の空気が海に

流れだし海水からの蒸気が冷やされ霧状になって輝く現象です。道北の留萌地方

で発生していた冬霧のことを指すものでした。

これが北海道の方言として有名になったものです。全国的に見られるのは蒸気霧

言われています。

待っていると太陽が出てきて、海岸線から湯気が立ち始め、光が当たり、水面を

ゆらゆら沖合まで伸びていきます。強めの風が極寒の空気を運んでいく模様です。

沖に向かいうねる波が濃淡の縞模様になり、美しい光景が浮き上がってきます。

遠くに輝く建物まで続く気嵐の波模様です。その上をカモが飛んでいきます。


氷下待ち網漁がたけなわです。

2020-02-06 13:39:03 | 根室の風景

風蓮湖の氷下待ち網漁は、今年は遅くなりました。寒気が例年に比べ4、5℃

高く、氷がなかなか厚さを増さなかったのです。

おばんです。小太郎でごじゃります。

         ★  氷下待ち網漁がたけなわです。 ★

例年ならがっちり氷が厚くなり、たくさんの網が設置される風蓮湖の南半分の

湖に面する槍昔。拠点にする漁師さんは薄くて出漁できませんでした。

確かに岸辺の氷が薄く、車やスノーモービルが入って行けません。ニシンがたく

さん捕れる漁場だけに寂しいです。漁がないとワシたちが集まりません。後背の

森にはトビとカラスが数羽だけ。

いつもの年なら木々にたくさんのワシたちが止まる光景が見られるのに残念です。

ならば移動して北半分、風蓮川やヤウシュベツ川が流れ込む湖の方へ行きました。

大量の真水が流れ込むので、比重の軽い水は上層、重い海水は下層に分かれます。

そのため寒さが厳しくなると凍りやすく、厚さも増してきます。海水が出入り

する出口より遠くなる奥の方から凍り出します。

12月には凍りますが、車が入りだしたのは1月下旬になってからです。漁師は

すごく慎重なので、念入りに確かめて網を設置します。

網入れを待っていたのはカラスやトビ、オオワシやオジロワシたち。彼らは漁師

売れない雑魚を投げてくれるのをひたすら待っていました。

漁業権を持っている漁師はスノーモービルの数から30名以上。一人6か所の網

設置できます。180ヶ所以上の網が魚の動きに合わせ仕掛けられています。

毎日、朝6時ころから網揚げに回っています。売れる魚を選別し、あとはワシ

たちのために氷の上に放置してあげます。これが風蓮湖に集まるオオワシや

オジロワシたちの胃袋を賄います。

少なくとも1000羽以上のワシたちが恩恵に預かっているのです。