地球の裏からまじめな話~頑張れ日本

地球の裏から日本頑張れ!の応援BLOGです。
証券関係の話題について、証券マンとしての意見を述べていきます

頑張れ 福井総裁!

2006-06-25 17:44:20 | ライブドア問題
福井総裁問題に関して今一度私の疑問点をまとめてみたい。

まずは、本当に良く出てくる言葉「身ぎれい」「汚れている」ってな言葉に関して、これはせめて証券業界に身を置く人間ならば、個々人の本音は別としても、決して看過してはいけない言われ方だろうと思う。またきちんとした投資をされている個人投資家の方々も反対すべき言葉だろう。

村上ファンドに投資していたから、株式運用をしていたから、ゆえに身が汚れていてそんな方が通貨の番人たる日本銀行の総裁をしていて良いのか?って論調は、要は株に手を染めているのは身が汚れている、って事であって、それは証券投資を直球勝負で万人に勧めている我々を冒涜するものである。
もちろんかつての証券界の態度には色々と問題があったのは認める。損失補てんだの総会屋問題だの飛ばしだの・・
個人的に思うのは、結論的にはこのネットの強烈な普及によってかなりの部分がガラス張りになって、ゆえに急速な勢いで色々なことが浄化され、業界特有の薄暗い部分がなくなってきたと言えると思う。
どの業界もそうだろうけれど、証券業界と言うのはこのネットによって歪みが補正された業界の代表例ではあるまいか。
株が上がろうが下がろうが我々の生活には関係ない、と言う論調も多く見られるけれど、直接的にはそうかも知れないけれど、間接的には本当にそうかどうかもう一度考えてみても良いと思う。

いずれにせよまずは「身ぎれいに」云々の言い方は止めていただきたい。我々は決して穢れちゃうような商品を取り扱っているのでは無いのである。
それを政治家自ら率先して使うなんて、言語道断。

そして次に気になるのが「インサイダー」「究極のインサイダー」って言う言葉。
確かに村上ファンドはエクイティーのみならずボンドも金利も入っては居ただろうけれど、基本はエクイティーファンドでしょう。エクイティーが不振のステージではキャッシュ比率を上げると同時に金利系ボンド系で安定運用を図っていた時期もあったかも知れない。
しかしながらそのパフォーマンスの大元はあくまでもキャピタルゲインであり、配当収入であったはずだ。
さて、仮に総裁が為替でもやっていたのならこれは私も確実なインサイダーだと思う。だって日銀自体が強烈な円の買い手であり売り手であるわけで、あの日銀介入ってのはもう無尽蔵なお金を使ってその方向性を180度変えるようなオペレーションであるから、仮にその介入前に総裁が円を売ったり買ったりしていればそれは言語道断だけど、そんな事は無い。
さらに金利政策云々だって、それじゃあ金利上げるって言われて例えば話を単純化して、0.1%が0.5%になった場合の1000万の金利収入ってのはどれほど違うの?1万円が5万円になっただけだよ、年利換算で。

それではこの金利上げ下げに対する証券市場の反応は、って言えば、もちろん教科書どおりなら金利上昇はマイナス要因、金利下げはプラス要因だけれど、それじゃあ一体どの銘柄に直接的に影響が及ぶの?
もちろん金利敏感株と呼ばれるところに来るのだろうけれど、それじゃあ具体的に1万円が5万円、みたいな計測が本当に出来るの?
実際影響は及ぼすけれど、森に影響があってもおのおのの木に対して具体的にどのような影響があるかなんて、結局誰もきちんと計測なんて出来やしないわけで、それを単純に「究極のインサイダー」とか言ってる連中の意味するところを聞きたいね。

日経平均が2003年に大底の8000円割れを付けて、それから比べれば現状は大体2倍になっているわけで、つまりやる気があればその時日経平均に対して感応度の高い銘柄、或いは極論すればその時日経平均自体を買っていれば、今はその時の投下資金は約2倍になっているはずでしょう。
それを「庶民が低金利であえいでいるときに、一体なんじゃ!」ってな議論にすり替えているけれど、それは本当にすり替え以外の何物でもない。
日経平均のちゃんとしたチャートを見るべきだって私は何度も言っているけれど、ここで大まかな日経平均値を書いておこう。

2000年4月 高値20833円
2003年4月 安値 7603円
2006年4月 高値17563円

これをきちんとご覧頂くだけでも、世の中に出回っている詭弁の数々がお分かりいただけよう、って。
結局まだ2000年の高値にも届いていないし、ましてや金融緩和解除によって下がった下がったとか言ってる日経平均は実は4月に高値を付けて、本格的に下げたのは5月だし。

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私もこの件に関しては相当な数の日記やBLOGを読んでいる(仕事もしてます、一応)。
そんな中で是非読んでいらっしゃらない方がいたらお読みいただきたいのが、今回拙BLOGにもコメントを頂いた京都の芸妓しんこさんのさるさる日記や、今回も引用いただいた木村剛さんのゴーログや、TBを下さる貞子ちゃんの日記等である。

どうかマスコミの刷り込みに洗脳されることなく、もう一度この問題を個々人で振り返って見て、そして如何にずれたところでこの刷り込みが成されているかを、もう一度お確かめいただきたい。これもネットの威力なんだから。


1 コメント

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Unknown (世直し会長)
2006-06-26 10:30:28
http://www.melma.com/backnumber_133212



このメルマガ大変正論ですね。マスコミは世論を扇動してはいけません。いくら村上堀江が嫌いでもそれと福井総裁の進退とは関係ありません。がんばって正論を続行ください。