国語屋稼業の戯言

国語の記事、多数あり。国語屋を営むこと三〇余年。趣味記事(手品)多し。

女重宝記より 問題編

2018-06-11 19:09:03 | 国語
次の文章を読んで後の問に答えなさい。

文字といふことは、唐土(もろこし)に蒼頡(さうけつ)といふ人、鳥の足跡をみてはじめて文字をつくり出(いだ)したまふ。これより①手を少し書く事を鳥の足跡を学ぶといふなり。文字に真、草、行とて三色あり。行文字をやはらげて、弘法大師、女のために、いろはといふ事を、(   )字の仮名に書きいだしたまふ。これを女文字といふなり。いろはさへ書き覚ゆれば無智の者も歌、草子をよみて、むかしの事をしり、文(ふみ)玉章(たまづさ)を書きてわが心を通じ、用を② とゝのふ。よって手習ひのはじめには、まづいろはより書き習ひ、後には文章をつらね、男文字をもおぼゆるなり。
小野道風(おののとうふう)といふ能書(のうじょ)の方へ、ある人手本を書きて給はれと所望しければ、古筆を箱に入れてやられけり。古筆は望みにあらず、手本のことなりと重ねて申しければ、道風のたまひけるは此(この)ごとく古筆の積る様に心に入れて、習ひ給へと申されけるとなり。
                   「女重宝記」より
(注)真、草、行・・・漢字の書体で、それぞれ楷書、草書、行書のこと。  文玉章・・・手紙、書簡。  能書・・・文字を上手に書くこと。またその人。

問一 赤い部分①「手を少し書く事を鳥の足跡を学ぶといふ」ようになったのは何故か。三〇字以内の現代語で説明しなさい。
問二 (   )に入る最も適当な数字を選び、記号で答えなさい。
  ア 三十一   イ 四十七  ウ 五十   エ 五十一
問三 「男文字」とはここでは何を意味するか。
問四 赤い部分②「とゝのふ」の読み方をすべて平仮名で書きなさい。
問五 本文では字が上手になるためにどうすればよいと書いてあるか。せつめいしなさい。
問六 この本は江戸時代の元禄時代に書かれたものである。この時代の人物としてふさわしいものを次の中からすべて選び、記号で答えなさい。
ア 紀貫之  イ 松尾芭蕉  ウ 近松門左衛門  エ 井原西鶴  オ 正岡子規  カ 上田秋成

問五 本文では字が上手になるためにはどうすることが良いと言っているか、最も適当なものを次から選び、記号で答えなさい。
ア たくさん書くこと  イ 良い手本を手に入れること  ウ むかしの事を知ること  エ 弘法大師を信仰すること

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