高校に戻る夢を何度となく見た。
そう、私はとても久しぶりに高校の授業に出席している。ただ、よく見ると校舎は小学校のときのそれだ。しかもクラスメートはとみれば、大学で知り合った人間もいれば、小学生のころは一緒に良く遊んだが今はどこで何をしているやら音信不通の子もいる。両者が高校生のナリをして違和感なく机を並べている。
科目は数学だ。ぜんぜんついていけない。なぜか私はずっと登校をさぼっていたのだ。その間に授業はどんどん先に進んでしまっており、私はひとりだけ、基本的なところが分からず落ちこぼれているのだ。どうしよう、こんなことではとうてい大学受験なんて無理だぜ。一体どこから打開すればいいのか。
夢の内容はときどき「数学の授業」が「模試」に摩り替わるなどのバリエーションはあったが基本構造は同じ。
こんな夢をかつて繰り返し何十回も見ていた時期がある。大学院に進み4年後ぐらいから数年の間のことだ。苦しい時期だった。することなすこと全てが不発。業績は上がらず将来の進路も見えず、その間に同輩や後輩たちはどんどんいい結果を出して先に進んでいった。本来は能天気でマイペースな私もこのときは深刻に強い焦りを感じていた。
この夢はオチも決まっていた。
「ま、なんとかなるって。あせるなよ俺。高校生やるのはこれが初めてじゃないんだからさ」
自分にそう言い聞かせて気持ちが少し明るくなったところで目が覚めるのだ。精神的危機を察知した裏人格が、必死で表人格にメッセージを送ろうとしていたのであろう。おかげでなんとか自殺などに踏み切らずに現在生き延びている。
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