NHKの特番で又も悲惨な高齢者の終の棲家の問題を特集していた。
「無縁社会」に次ぐ「終の棲家」=「施設入居できない路上生活者の末路」を取り上げていた。
都営住宅で夫婦で暮らしていた「Aさん」の場合。時間に正確な宅配業者。個人営業だったが真面目な働きぶりのおかげで80歳まで仕事があった。 妻は数年前に亡くなった。
従来は特に病気も無いので月7万円の年金で暮らしていたが、記憶があやしくなって家に帰れず路上生活を繰り返した。
収容施設に入ってもすぐ路上生活に逆戻り。「特養には3年待ちではいれない」「有料高齢者向け老人ホーム」は月14~25万くらいかかる。特養は5万~20万くらいだが、需要が多く、施設も不足、入居待ちが3年以上が現状。
「無縁社会」で実情が伝えられた「絶縁家族」。引き取り手のいない、遺骨、遺品。
安アパートで亡くなると大家は家財もそのまま放置して解体時にゴミと一緒に処分する。都営アパートからショートステイに漂流するAさんが持ち出せた家財は腕時計1個と妻の骨箱だけだった。
家財すべてが業者に廃棄処分される様子を観て泣くAさんの姿があった。愛妻の骨箱と笑っている妻の遺影写真を手に取って施設に戻る姿があった。
1坪位の部屋のベッドに横たわって看護師の問診に答える。
「もしも重篤な状態に陥った場合にあなたは最高の延命処置を望みますか?」
「それとも自然に任せて延命治療を行わないことを希望しますか?」
「う~ん。数十秒の言葉の途切れの後出てきたAさんの言葉」
「最高の延命処置を望みます」だった。
麻生副総理が物議をかもした発言。訂正発言を思い出してしまった。
高齢者医療制度、延命処置と医療体勢。年金、医療の一体改革の委員の発言に現実との狭間で沸き起こる多様な問題点が見えて来た。
日本の対策がこれから後に続く世界の注目の的となる。