東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

ミヤマとりに行こう 3

2024年07月04日 | クワガタ
この日曜日は曇り空で涼しく好条件。前回ライバルに遭遇した為、今回は何時もより早めにスタート。すると、早朝から林道に飛翔する黒っぽいトンボを発見!クワガタ用に持参した網をひと振り。
その正体は...

コヤマトンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
トンボは後回しだったはずが何故かトンボが先に。黄昏飛翔性なので出逢えるのは早朝か夕方。また、アオハダトンボと同じ流域に生息している為、区部で観察する機会は殆どなく、区部の大池に飛翔するのは近縁種のオオヤマトンボ。例年、羽化の記録のみで成虫が活動する時間帯には河川へ訪れていない為、成熟成虫には出逢えていないのが事実。この日は雨により河川が増水していたのを嫌ったのか、流石、ヤマトンボ科と言うだけあり、林道にも飛ぶ事を知った素晴らしい出会い。5月の羽化にしては綺麗な個体だった。リリースして本命のミヤマクワガタを探しに向かった。

ミヤマクワガタが棲む雑木林

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
下草の手入れと樹間が確保され、程よく太陽光が差し込み風通し良い雑木林がミヤマクワガタの棲家。
大事な事を書き忘れていた!こうした場所は前回に掲載した樹液に集まるオオスズメバチは、勿論、危険な猛獣とも出会うリスクを背負いつつの体力勝負。ミヤマクワガタとの出会いはそう容易くない。

コナラ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
カシノナガキクイムシによる被害樹に良く見られる侵入、脱出時の穴から流出した樹液。この様な状態の木が多く見られているが、何故かこうした樹液場には皆無。また、今回は残念ながら撮影できる距離では発見できず。蹴り落とし作戦による捕獲のみ。

ミヤマクワガタ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
大顎、耳状突起等、全体のバランスがナイスな63mm。やはり東京都産が随一。このサイズのメイトガードの撮影に期待しているけれど叶わない。前回より数サイズともにUP。捕獲したクワガタをケースに入れて持ち歩く場合は、すき間分振られると弱ってしまうので必ず落葉を一緒に入れる事。この先は猛暑日が続く予報にあるのでその影響がマイナスに出るのか再び条件が合う週末の朝一に訪れたい。
因みに今回のビークワ92号(雑誌)は日本のミヤマクワガタ大特集。ミヤマファンは必見だ!

撮影日:6月30日

梅雨の晴れ間に

2024年07月03日 | いろいろ
トンボ以外に生態園で観察した昆虫たち。

ヤブキリ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
幼虫の頃は草はらで。成長する毎に樹上、肉食夜行性に移行。カマキリの様にセミを捕食してしまうほど獰猛らしく、いつかそんな場面をみたい。

クワカミキリ

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D+SB-700
6月から7月のクワは要チェック。意外と敏感で気配を察知されると落下逃げするので遠くから撮影。

クワコの幼虫

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
まさに葉っぱについた鳥の糞。素晴らしい擬態。カイコの原種とされている。クワカミキリもクワコも暑さを嫌い半日影に生育するクワを好んでいる様子にある。

リュウキュウツヤハナムグリとヨツスジトラカミキリ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
珍しい組み合わせ。両種ともヒマワリに来るイメージがないけれどヒマワリの花粉もいけるらしい。

クヌギの樹液場(カナブンとゴマダラチョウ)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
リュウキュウツヤハナムグリの飛翔活動が多く見られていたけれど、まだ好みの樹液場がないのか、この時期はトウネズミモチの花粉を好むのか、ここにはリュウキュウツヤハナムグリの姿はなくカナブンだけが集まっていた。ゴマダラチョウも例年通り豊富な様子で樹液場に集まっている。特にこの時期になると昆虫目的て来園されているご家族の方に、カブトムシはいますかとご質問をいただく事が多い。以前の野鳥公園では確認できなかったけれど、ここ数年で偶に見かける時があるから探してみよう。

撮影日:6月29日

雨上がりの野鳥公園で

2024年07月02日 | トンボ
田んぼからお借りしたアキアカネのヤゴを返却。そのついでにトンボチェック。

アキアカネ 雄(羽化後)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

アキアカネ 雌(羽化後)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
前回の記事でそろそろ羽化の終盤と書いたので確認。この日の羽化居残りは8頭。

キイトトンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
この時期、田んぼの周辺で姿を見せてくれる。周辺の草には水滴が残り雨上がりらしい様子。

チョウトンボ(雄と同色型の雌)

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D
体色はオス、でも腹部先端を良く見るとメス。もっと近寄った画を撮りたかったけれどサヨウナラ...

チョウトンボ

Nikon D810+AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G
こちらが普通のメス。野鳥公園で人気種のチョウトンボはじわじわと増加中。
美しい翅の上面を撮影するなら朝一が狙い目。

コフキトンボ 雌(オビトンボ型)

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED

ウチワヤンマ 雌(カメラ目線)

Nikon D810+Ai AF-S Nikkor ED 300mm F4D
メスなのに敏感で寄れず。トンボはオスの方が敏感で逃げられる可能性が高いけれど...個体差もある。
産卵時以外は池から離れた場所で活動しているから田畑エリアに各種のメスが集まるのかも知れない。

田んぼの上空に飛翔する風景

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED
チョウトンボ、コシアキトンボ、ウスバトンボの飛翔を確認。ここにアオヤンマ、ネアカヨシヤンマが参加してくれると嬉しいけれど、残念ながらそれらの姿はなかった。東京港野鳥公園でのタイワンウチワヤンマの発生を気にされているトンボファンの方に一報。例年、許可をいただいて調査を行っており、ウチワヤンマ、タイワンウチワヤンマ両種の羽化殻を記録している。

撮影日:6月29日

ニイニイゼミの擬態

2024年07月01日 | セミ
ニイニイゼミ

Nikon D810+AF-S Nikkor 20mm f/1.8G ED+LEDライト
先週から音を聞いていたので、早く姿が見たいと思い樹木を丁寧にチェックすると、いたいた!
意識して探しても見逃してしまうほど、この翅も体も樹皮に擬態した姿は感心するほど素晴らしい。
比較的、発生初期に限っては高所で音は聞こえど姿見えず、また、敏感で近寄らせてはくれないと言った事が多いけれど、今回は運良く接写に成功。この先は続いてクマゼミ、アブラゼミ、ミンミンゼミ、8月にはツクツクボウシが沿岸部の樹林で大合唱を聞かせてくれる事に違いない。セミシーズン到来。
因みにニイニイゼミは外見でオスメスを区別するのは難しい。LEDライトを使用しているのは逃げられるのを覚悟で被写体と背景の明るさのバランスをとるため。今回は逃げられずに済んだ。

撮影日:6月29日

ヤゴって難しい 1

2024年06月28日 | ヤゴ
アキアカネとリスアカネのヤゴ

Nikon D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
野鳥公園の田んぼからお借りしたアキアカネと湿地で採集したリスアカネを見比べた。
終齢幼虫と終齢幼虫羽化前は背中の翅になる部分(翅芽)の形状に変化が見られ、それ以外の部分をじっくり観ても両種の決定的な違いが見つからない。大きさと体色には個体差があり見分けるポイントにはならない。全て同種にも異種にも見える。ヤゴって難しい...※画像をクリックで拡大表示。