東京昆虫記

東京の自然環境に棲む昆虫たちの生態写真
.My Real Insects Photo Style in Tokyo.

河川のヤゴ調べ

2022年03月21日 | ヤゴ
今年からヤゴの特徴や生息環境の知見を深めたいと思い、通い慣れた水辺に棲むヤゴを少しずつ調べているところ。この日は中流域に生息する種類を調べに訪れた。

Nikon D810+AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED
都心と比較して季節の進行が遅く、サクラの蕾が膨らむのはまだこれからといった様子。例年4月上旬からサナエトンボの羽化がスタートするので3週間後に迫る中、その前にヤゴの観察をしたいと思い網でガサガサ。すると...

コオニヤンマ(左)とコヤマトンボ(右)のヤゴ

両種、扁平な体型で長脚が特徴的。コオニヤンマは体色に個体差があり、今回、採れた個体は真っ黒。動かずにいたら枯れ葉にしか見えない擬態が素晴らしい。川底に枯葉が堆積した淀みで採れた。

オナガサナエのヤゴ

Nikon D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
比較的、流れの早い場所を好むようで、下流側に網を構え上陸側に沈む石を返して流す作業で採れた。身体の側面に棘が多く見られる事から流されない様に棘を使用して石の間に身体をガッチリとロックしながら獲物を待ち構えているのかも知れない。

アオサナエのヤゴ(亜終齢と前齢)

Nikon D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
身体の内部にアオサナエらしい緑色が見られる。背面中間より一段下の部分にM字のような斑紋が入る個体と入らない個体がいる。思いの外、サナエトンボのヤゴを採るのに苦戦していて、自分は諦め撮影に取り掛かっていたところ、同行いただいた田中さんが丹念に砂礫底を掬った努力の末、アオサナエのヤゴを採っていただいた。

アオハダトンボかハグロトンボのヤゴ

Nikon D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
ヤゴハンドブックとヤゴペディアのサイトを参考にされていただいたけれど、アオハダトンボorハグロトンボなのか?個体差もあり確信できる同定ポイントが無いため解らず。自分なりに観察と知見を重ねて判明できるようにしていきたい。

ミヤマカワトンボのヤゴ

Nikon D300S+AF-S DX Micro NIKKOR 40mm f/2.8G
上記のヤゴに似ているけれど、明らかに体型が大きく、触角の第1節目も長いので同定可能。尾鰓が欠けてしまっているのがちょっと残念。カワトンボのヤゴは抽水植物の根で採れた。狙っていたダビドサナエ、ホンサナエ、ヤマサナエのヤゴは全く採れず終い。いったい何処に潜んでいるのか、この先の課題にしたい。

撮影日:3月13日


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