Keep Your Stick on the Ice!

カナダで出会った生きている英語

Somebody walked over your grave.

2006年11月18日 | Weblog
 もう8年以上も前の話になるが、僕が生物学の勉強を始めて間もない頃、大学院生Caraが夏の間だけ研究室に滞在していた。Virginiaから来た米国人で、カタツムリのような軟体動物の体内時計について研究していたように記憶している。ある日、僕がくしゃみをしたら"Bless you."と言われたので、「何だそれは?」と聞き返したら「みんなそう言うんだよ」と教えてくれた。外国に住み始めると、今まで机上の空論に過ぎなかった語学が現実のものとなるから非常に面白い。誰かがくしゃみをすると、本当にどこかで誰かが"Bless you."と言う。最初聞いた時は、内心、笑いが止まらなかった。カナダではくしゃみをすると"Excuse me."と言うのが礼儀になっていて、"Bless you."そして"Thank you."というちょっとした会話が行われる。日本では「噂されてるぞ」なんて言われることが多いが、そのことを話したらChristianが気味の悪い言葉を教えてくれた。英語では誰かが身震いした時、"Somebody walked over your grave."と言うらしいが、これが日本のそれと似ているという。墓などまだないのに「誰かがお前の墓の上を歩いたぞ」と過去形で言うのだ。ちょっと前のことなので"Someone's just walked over your grave."と言ってもいい。そういえば、幼い頃、祖父の目を盗んで我家先祖代々之墓によじ上ってよく遊んだものである。家系図が残っていて、曾祖父利雄から、廣吉、重次郎、岩吉、傳右衛門、三平まで僕から数えて父系を8代上まで遡れるのだが、これらご先祖様は生前、僕のせいで身震いしていたに違いない。