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初めての受診:営繕編

2009-07-17 | スタッフ
老人ホームの職員と言えば、ヘルパーや看護師、相談員を思いつく人が多いでしょう。
ところが、ご入居者の病院への送迎を担当する「営繕職」も、なかなか重要な仕事なのです。




今日から、新しい営繕職の人が来ました。五十代半ばの、体のガッチリとした男性です。
つい先ごろまで勤めていた会社が、このところの凄まじい経済不況の煽りを受けて「解散」した…ということでした。

今日の朝一番、私はあるご入居者の通院の付き添いをしました。もちろん通院の際には、職員が病院までクルマで送迎をします。
行きはホーム長が運転をし、新しい営繕さんは助手席に座りました。一生懸命に道を覚えようとしているのが、確認するように素早く視線を動かしている様子から見てとれました。
そして帰りは、新しい営繕さんが運転をしました。落ち着いたハンドル捌きでしたが、大きな背中は緊張で固まっているようで、内心大変なのだろうなア…と思いました。五十代半ばにしての「初仕事」に私はたまたま立ち会うことになったのですが、なにやら深い感慨を覚えました。




私がこの会社に入った三年半前は、営繕さんといえば運転手とか内装業とかの経歴の人が多く、いわゆる「内勤」の人はほとんどいない…という印象でした。
ところがここに来て、一般企業で営業やデスクワークをしていた人もかなり応募に来ているようです。応募者の年齢も下がって来ているらしい。
中高年社員の足場がどんどん狭くなっている一般企業から、ここのところ飛躍的に増えている老人ホームへの転職…、時代だなあと思わざるを得ません。

営繕さんの仕事とは、そうとう幅広いものです。
施設備品やお客様の家財の修理屋さんであり、祭事のときには看板を作ったり垂れ幕を飾る大工仕事もあります。園周辺の花壇や樹木にも常に気を配っていなければなりません。

でも、もっと大事なのは、ご入居者との交流です。運転や部屋の家財の修理の際に良いコミュニケーションをとれる営繕さんは、まさしくケアの一端を担っていると言えます。




新しい営繕さんは、午後にも一件受診の送迎をしました。
それ以外にも、頑張って自分から仕事を探していました。
今日は早く帰って、お風呂に入ってイッパイやって下さい…と声を掛けたくなりました。

私と同じ「小さき人」が運命を受け入れながら懸命に働こうとする姿に、深く共感した次第です。






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