我がホームの最年長、今年102歳になるお客様に、ここのところお元気がありません。
いつも大きな声で話し、お食事もたくさん召上っていたのに、この十日くらいは、喋ることもほとんどなく、お食事の量もぐっと減っていたのです。
今日のお昼は私が介助をしたのですが、ほとんど声も出されず、食事を少しずつ口に含み飲み込んでは、大きく息を吐かれます。
もう、再びお元気になることはないのだろうか…。
午後、娘さんが二人、面会に来られました。
まず、今のご様子をお話してからの面会でしたので、娘さんたちも不安になられたようでした。
入室したときはすっかり寝入っておられました。
おりを見て、娘さんの一人がお声を掛けました。
すると、最近はすっかり開きづらくなった瞼の奥から、しっかりと「我が子」を認められたのです。
はっきりと、二人の娘さんの名前を呼ばれました。
それから、背筋をピンと伸ばしてベッドに座り、本当に久しぶりの笑顔を見せました。
それは、この十日間、全く見せた事のない姿でした。
全く、親子の情とは、恐ろしい力を与えてくれるのです。
そのことを、はっきりと知った瞬間でした。
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いつも大きな声で話し、お食事もたくさん召上っていたのに、この十日くらいは、喋ることもほとんどなく、お食事の量もぐっと減っていたのです。
今日のお昼は私が介助をしたのですが、ほとんど声も出されず、食事を少しずつ口に含み飲み込んでは、大きく息を吐かれます。
もう、再びお元気になることはないのだろうか…。
午後、娘さんが二人、面会に来られました。
まず、今のご様子をお話してからの面会でしたので、娘さんたちも不安になられたようでした。
入室したときはすっかり寝入っておられました。
おりを見て、娘さんの一人がお声を掛けました。
すると、最近はすっかり開きづらくなった瞼の奥から、しっかりと「我が子」を認められたのです。
はっきりと、二人の娘さんの名前を呼ばれました。
それから、背筋をピンと伸ばしてベッドに座り、本当に久しぶりの笑顔を見せました。
それは、この十日間、全く見せた事のない姿でした。
全く、親子の情とは、恐ろしい力を与えてくれるのです。
そのことを、はっきりと知った瞬間でした。
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