食いしん坊ケアマネ の おたすけ長屋!

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日々是好日

2010-01-25 | 入居者、家族
今日はまた、ジェットコースターのような一日だった。

午前中は朝から職員どうしのスパークがあり、往診医との対応があり、速攻で議事録を仕上げねばならぬ負い目があった。

午後は、新しいご入居者とご家族を病院までお迎えし、イロイロな確認と手続きをした。

その合間に、業者への発注や納品、新しい介護判定に関しての、ご家族の疑義に対する受け答え…とテンコ盛りで、午後8時まではまさしくノンストップだった。

さて、8時を過ぎて、ようやく記録や書類作成をゆっくりしようか…と思った矢先、事務所のドアが激しく叩かれた。

J様であった。

J様は今年91歳になられる、京都の名家出身の女性である。

関東人にとって京都とは、「深い文化への憧れ」と「旧弊な価値観に囚われた自家中毒人種へのウザさ」がないまぜになった、なんとも言われぬ都である。

さて、J様は顔面蒼白、眼窩は洞窟のようにくぼみ、今にも倒れんばかりに上体を揺るがせながら、荒い息を吐いて、私に言った。

「もう、我慢できん!こっちがおとなしゅうしてれば、どこまで付け上がるのか。私は、明日、ここを出て、帰ります!」

そのイキオイが尋常でなかったので、私はお部屋までご一緒し、しばらくお話を伺った。

J様のお話はシュールで想像力に富み、私の能力ではとても理解が及ばなかった。

ただ、しきりに、「川向こうに住む人たちだから」とか、「肌の色が地域によって違う」というようなことを仰った。

そうして二十分ほど話されてから、

「こんなことは人様に言うことじゃなかったわ。あんたの大事な時間を、私が取ってしもうた。かんにんして下さい」

と、深い哀しみに充ちたたお顔で、仰った。

いいえ、良いんですよ。また、何でも仰って下さいね…。

私は、必ずしも本心とはいえぬ言葉を置いて、お部屋からおいとました。

つらかったけど、最後に自分らしい「仕事」をした気がした。

たぶん、明日も、同じようなことが続くのだろう。



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