今夕、プロ野球のドラフト会議がありました。
今年のドラフト会議は久しぶりに世間の注目を集めていました。
それは、四年前の夏の甲子園で優勝し、「ハンカチ王子」と呼ばれて一躍人気者になった斉藤佑樹投手が選択されるからです。
今はもう「一年ひと昔」の時代ですから、四年前のヒーローなんて、普通だったらほとんどの人が忘れてしまいます。
斎藤投手が四年後も注目を集めたのは、進学した早稲田大学野球部でもコンスタントに好成績をおさめ、なおかつマスコミには早稲田大学の卒業生が多い…という点が大きかったと思います。
そして今日、斎藤佑樹投手は、北海道日本ハムファイターズのドラフト一位指名を受けました。
この結果を見て、日本ハム球団のファンからの「本当に札幌まで来てくれるだろうか?」という心配の声を、ネットで見かけました。
でも、彼は間違いなくプロ野球入りすると思います。
斎藤投手は、良く現実を見て、その中でどうパフォーマンスをすれば自分にメリットがあるか…を感じ、表現する力があるような気がします。
大学での彼は一級の成績を収めましが、内容まで超一級だったわけではありません。
完投はあまりなく、先発しても6回か7回で代わることがほとんどでした。
同窓に今日6球団から指名を受けた大石投手など、良いリリーフピッチャーがいたこともあります。
しかしそれ以前に、彼は常にプロ野球入りを念頭に置き、一歩ずつそのレベルに自分を引き上げてきたように思うのです。
プロ野球の投手としては小柄な彼が、仮に今年入団を見送り「浪人」して、来年必ずプロから誘いが掛かる保障はありません。
彼自身、それを良く承知していると思うのです。
日本ハムには、日本球界を代表するダルビッシュ投手がいます。
ダルビッシュ投手は来年オフにはメジャーを目指すでしょうから、「エース継承」という格好のドラマができます。
もうひとつ。東北楽天イーグルスの田中将大投手です。
四年前、甲子園で優勝した早実の宿命のライバル、駒大苫小牧のエースです。
今や日本でも屈指のピッチャーに成長した田中投手との投げあいこそ、マスコミ的には願ってもない「ドラマ」ですから。
もちろん、果たして斎藤投手にそれだけの力量があるか…というのが、一番の問題です。
大学野球とプロ野球の力量差を考えれば、来シーズンの後半にローテーションに入って7、8勝も出来れば御の字…というところでしょうから。
でも、斎藤投手は実に「プロ向きキャラクター」だと思いますので、自分に何より求められる「ドラマ創りの役割」は、何とかクリアしていくように思うのです。
日本シリーズを生中継しない地上波の放送局が、今日のドラフト会議はゴールデンタイムで特集を組んでいます。
これはとてもシンボリックなことではありませんか。
「実際のプレイ」には関心を示さない人々も、「分りやすい因縁のドラマ」となれば、チャンネルを合わせるのです。
本音を言えば、こういうのは「あまりよくないこと」だとは思います。
本来、スポーツでも音楽でも芝居でも映画でも、二時間三時間の「プレイ」をじっくりと見て、そこから自分でドラマを抽出するべきだ、と。
でも、今のご時勢、いかんともし難いものがある…。
斎藤佑樹投手には、そんなデジタルスイッチ時代に良く適した、「小粒の寵児」という印象があります。
四十年くらい前からプロ野球を見てきましたが、そのうちでもっとも大きなドラフト会議のドラマは、言うまでもなく、1978年の「江川卓投手の空白の一日事件」でした。
あれは、文字通り日本中を巻き込んだ、前代未聞のスキャンダルでした。
もう、今のプロ野球界には、ドラフト会議のドラマであれだけの騒ぎを巻き起こす力はありません。
そして、江川卓のような圧倒的な力量のピッチャーもいません。
You Tube を見ると、読売巨人軍に入団して二、三年目の江川投手を見ることが出来ますが、今見てもスゴイ選手だと痛感します。
あんな本物のヒールは、おそらくもう出てこないでしょう。
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今年のドラフト会議は久しぶりに世間の注目を集めていました。
それは、四年前の夏の甲子園で優勝し、「ハンカチ王子」と呼ばれて一躍人気者になった斉藤佑樹投手が選択されるからです。
今はもう「一年ひと昔」の時代ですから、四年前のヒーローなんて、普通だったらほとんどの人が忘れてしまいます。
斎藤投手が四年後も注目を集めたのは、進学した早稲田大学野球部でもコンスタントに好成績をおさめ、なおかつマスコミには早稲田大学の卒業生が多い…という点が大きかったと思います。
そして今日、斎藤佑樹投手は、北海道日本ハムファイターズのドラフト一位指名を受けました。
この結果を見て、日本ハム球団のファンからの「本当に札幌まで来てくれるだろうか?」という心配の声を、ネットで見かけました。
でも、彼は間違いなくプロ野球入りすると思います。
斎藤投手は、良く現実を見て、その中でどうパフォーマンスをすれば自分にメリットがあるか…を感じ、表現する力があるような気がします。
大学での彼は一級の成績を収めましが、内容まで超一級だったわけではありません。
完投はあまりなく、先発しても6回か7回で代わることがほとんどでした。
同窓に今日6球団から指名を受けた大石投手など、良いリリーフピッチャーがいたこともあります。
しかしそれ以前に、彼は常にプロ野球入りを念頭に置き、一歩ずつそのレベルに自分を引き上げてきたように思うのです。
プロ野球の投手としては小柄な彼が、仮に今年入団を見送り「浪人」して、来年必ずプロから誘いが掛かる保障はありません。
彼自身、それを良く承知していると思うのです。
日本ハムには、日本球界を代表するダルビッシュ投手がいます。
ダルビッシュ投手は来年オフにはメジャーを目指すでしょうから、「エース継承」という格好のドラマができます。
もうひとつ。東北楽天イーグルスの田中将大投手です。
四年前、甲子園で優勝した早実の宿命のライバル、駒大苫小牧のエースです。
今や日本でも屈指のピッチャーに成長した田中投手との投げあいこそ、マスコミ的には願ってもない「ドラマ」ですから。
もちろん、果たして斎藤投手にそれだけの力量があるか…というのが、一番の問題です。
大学野球とプロ野球の力量差を考えれば、来シーズンの後半にローテーションに入って7、8勝も出来れば御の字…というところでしょうから。
でも、斎藤投手は実に「プロ向きキャラクター」だと思いますので、自分に何より求められる「ドラマ創りの役割」は、何とかクリアしていくように思うのです。
日本シリーズを生中継しない地上波の放送局が、今日のドラフト会議はゴールデンタイムで特集を組んでいます。
これはとてもシンボリックなことではありませんか。
「実際のプレイ」には関心を示さない人々も、「分りやすい因縁のドラマ」となれば、チャンネルを合わせるのです。
本音を言えば、こういうのは「あまりよくないこと」だとは思います。
本来、スポーツでも音楽でも芝居でも映画でも、二時間三時間の「プレイ」をじっくりと見て、そこから自分でドラマを抽出するべきだ、と。
でも、今のご時勢、いかんともし難いものがある…。
斎藤佑樹投手には、そんなデジタルスイッチ時代に良く適した、「小粒の寵児」という印象があります。
四十年くらい前からプロ野球を見てきましたが、そのうちでもっとも大きなドラフト会議のドラマは、言うまでもなく、1978年の「江川卓投手の空白の一日事件」でした。
あれは、文字通り日本中を巻き込んだ、前代未聞のスキャンダルでした。
もう、今のプロ野球界には、ドラフト会議のドラマであれだけの騒ぎを巻き起こす力はありません。
そして、江川卓のような圧倒的な力量のピッチャーもいません。
You Tube を見ると、読売巨人軍に入団して二、三年目の江川投手を見ることが出来ますが、今見てもスゴイ選手だと痛感します。
あんな本物のヒールは、おそらくもう出てこないでしょう。
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