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2005-05-06 11:09:24 | 音楽徒然
5日@国際フォーラムです。
なんとこのライヴも今年で5回目だそうで。
知らなかった・・・。去年行きたくて行けなかったので今年は気合で
チケット取ったものの、なかなか一緒に行く人見つからず。
結局会社の友達を発掘。普段こういうしっとり系は聴かないそうで
どうなることかと。(笑)

このライヴは音楽監督を羽毛田丈史さんが務め、全体の進行役を
しつつ、各アーティストが順番に自分の曲を披露していく
という形式。持ち曲はだいたい3曲くらいで、その年の新曲、流行った曲
ライブ・イマージュでの定番曲など。

ではProgramを以下
<第1部>
1Joyful Air Line/オーケストラ・イマージュ
2地球に乾杯/羽毛田丈史
3日本の、これから/羽毛田丈史
4瑠璃の島/羽毛田丈史
5サンバースト/木村大
6アランフェス協奏曲第一楽章/木村大
7目覚め~ネスカフェ・ゴールドブレンドのテーマ/小松亮太
8オスバルド・モンテスとの遭遇/小松亮太
9白い巨塔/加古隆
10風のワルツ~黄昏のワルツ/加古隆
11パリは燃えているか/加古隆

<第2部>
12Ping-pong-song/ゴンチチ
13Lovers/ゴンチチwith宮本文昭
14放課後の音楽室/ゴンチチ
15NDD/Night Dizzy Dance/ゴンチチ
16いま、会いにゆきます/時を越えて/松谷卓
17Before Afterメドレー/松谷卓
18Morricone Medley/オーケストラ・イマージュ
19風笛/宮本文昭
20G線上のアリア/宮本文昭
21青の洞窟_Grotta Azzurra/葉加瀬太郎
22Color Your Life/葉加瀬太郎
23リベルタンゴ/葉加瀬太郎with小松亮太
24情熱大陸/葉加瀬太郎with小松亮太

アンコール
My Favorite Things/出演者全員



さて、全体としていえるのは「とってもレベルが高かった!」
ということ。

アーティストのみなさまは「職人」だなあという印象。
皆、自分の演奏に大変誇りを持っているということ。

それぞれの代表作を引っ提げての演奏ということもあるし、
自分だけではなく他にも出演者が代わる代わる登場するので
自分に与えられる曲目と時間に制限がある。なので
それがまるでコンテストのように、その短い時間のなかで
どれだけ自分を聴衆に印象付けられるか
という気迫さえ感じられた。
それぞれの持ち味があって、自分の世界を如何に研ぎ澄ませて
発現するか、という場となった。

また個々で自分の曲を自分で解説しながら、近況報告も
交えつつという長いMCが入るのもこのコンサート独特のもの。
それこそ自分でマイクを握って、
自分の曲のタイトルを言って演奏し始める。
これも初心者には嬉しいとこ。
(自分の新作CDやコンサートのご案内までやるんだから。すごいもんだ。
今までのコンサートでは聞いた試しが無い・・・^^;)

もちろん監督の羽毛田さんの温かみと余裕のある語り口もよかったけど、
ゴンチチは気の抜けるようなおっさん2人組みトークという感じ。
愛・地球博のモリゾーとキッコロを取り出して「一度でいいから黄色い声援
を聞いてみたかった」って観客にレクチャーして
「チチさーん!三上さーん!」と呼ばせる始末。
オーボエ奏者の宮本文昭さんはいつもはばりばりのお堅い
クラシック出身ということもあり「こんな機会でも無いと着れないから」と
演歌ばりばりの青いラメの入った衣装と王子様ルックで登場。
先日見に来ていた高田万由子さん(葉加瀬太郎の奥様)にも笑われたそうで。

そんな個性がギラギラと光る舞台。観客を楽しませようというのが
思いっきり伝わる。

第1部はわりと穏やかで第2部にかけてヒートアップという感じ。

羽毛田さんのピアノはセンシティブ。高音系でガラスの響きとでもいい
ますか。コンサート全体で曲のアレンジや至るところで演奏に加勢して
会全体を引き締めていた。その卓越したプロデュース力は天才の域。

それに比べて加古隆さんは音に憂いをひめた澱みがある。まさに重鎮。
「白い巨塔」「パリは燃えているか」どれも心の奥底に響く重低音。

クラシックギターの木村大さん。アランフェス見事弾ききった。手
が痙攣しそうなくらいすさまじい動きだった。
猛烈な音符数なんだろうな。けれども音同士が濁らない。
今もっともこの方のCDが欲しい。

バンドネオンの小松亮太さん。この楽器全然知らなかったけど
音はおなじみ。アコーディオンの小さいバージョン。膝の上に載せて
落としたり伸ばしたりすることで音が自在に操れる。
変幻自在のカメレオンのような音。生き物のようにうねる。

松谷卓さんはそう、「いま、会いにゆきます」の音楽を作った人。
冒頭のピアノの和音が鳴り出したとき、一気にあの世界へ頭が飛んだ。
雨音のような、せつない音。これを聴いた瞬間にもう今日はこれで
帰ってもいいやというくらい充足感に浸り。体全体を耳にして一音も
聞き漏らすまいと集中。余談ですが、ご本人金髪で侍のようなクールさが
ある方で、その立ち振る舞いが印象的だった。

クライマックスはやはり葉加瀬太郎!
あのノリ、ラテン系。観客を巻き込み度でいったらこの人が最強。
観客総立ち手拍子の情熱大陸。
この方のヴァイオリンの弾き方はありえないほど弓が弦に吸い付く感じ。
いい加減にやっているようでまったく無駄の無い計算されつくされた音の
たゆみ。弓を上下極限いっぱいいっぱいに使って体中で音を出す。
それこそ足を踏み鳴らし、歩きながら。
あの、弾き方じゃ弦がすぐ切れるのも納得なわけで。

このコンサート全体を通して思ったのだけど、音楽を支えるオーケストラと
主役のアーティストの意思疎通が大変取れてる。
まさに「心ひとつに」がテーマなのかよく練習されていて、
ずれるということがまず無かったのがすごい!
イマージュ・オーケストラの方々も個々でCDを出すくらい上手で、
特にファーストヴァイオリン息揃いすぎ。金髪の方、あの方も職人だ。
NAOTOさんと言うらしい。

最後の「My Favorite Things」
これは毎年恒例だそうで、演奏者全員参加。しかもそれぞれにソロがある。
主役たちの演奏家の他にも、オケメンバーも各パート毎にソロの聴かせ
どころがある。パーカッションやベースという普段裏方なとこにまで。
そういうところがイマージュの人間味が伝わってくる。
「楽しければ何でもアリ!」ということね。
まず演奏している人たち自身が本当に楽しんでやっている。
年に一度のお祭り騒ぎの感覚で。
この最後がいちばん好きかもしれない。
スポットライトを浴びた人が渾身の力を出し切る。
「私の音楽をきいて」とばかりに。プロ根性というか。
他の人には絶対引け目をとらないって本気なんだもん。

各アーティストがリレー形式で演奏を繋げていく異色のコンサート
イマージュ。それぞれのコンサートにいっぺんに足を運んだような
お得感としかもCDには収まっていないような旬の曲目白押し。
私としてはかなりの満足度でした。
来年のGWも絶対行きます!