第804話.気になった音楽(348)Liam Gallagher『I’ve All I Need』(改)

2022-09-03 04:30:23 | 気になった音楽
湖畔人です。

週末夏を〆る和物の音楽をやりたいと言いましたが、その前に後一曲だけリアムの曲を一つ。

前話同様、リアムのソロアルバム『As You Were』から曲で『I’ve All I Need』です。リアムの書いた曲ですね。瞑想にでも誘われるような、なんとも美しい曲です。

前話でギャラガー兄弟の神は”ジョン#と申しましたが、リアムのジョン好きは度を越していて、息子さんに"レノン"と言う名前を付けるくらいのレベルです。それを知ったレノン家の皆さん、オノヨーコさんも息子のショーンさんも何かとリアムを気に掛けていて、レノン君用におむつを送ったり、ジョンのアニバーサリーイヤーにはリマスター版のCDセットをリアムに送ったりと、なにかとリアムを気に掛けているレノン家の皆さんなのですが、20年以上前、リアムがNY滞在時にヨーコさんにお呼ばれして、あの有名なダコタ・ハウスを訪問したらしいのです。その際、掛け軸か何か、あるフレーズが壁に飾ってあるのを見たリアムが、その言葉の意味をヨーコさんに聞いたところ、それが"私が冬眠をする間、私はその羽根をたたみます"(While I’ve been hibernating I’ve been gathering my wings)と言うような意味だと教えて貰います。同時に、生前、ジョンもリアムと同じようにこのフレーズに興味を持って意味を聴いて来たそうで、その意味を知ったジョンは、その時から音楽制作から離れる決意をし、その後、しばらく子育てに専念する事になった、と言うようなエピソードをヨーコさんから聞かされます。それを聞いたリアムは、"あ、これはイイかも"と思ったらしく、そのフレーズをその場でメモって、自分の曲でどこかで使う機会をずっとうかがっていたらしく、それで今回この曲の中にめでたくこのフレーズを入れる事に成功をした、と言う事らしいのです。でも微妙に歌詞は違ってはいますがね。リアムの場合は、 "I hibernate and sing/While gathering my wings"となっていて、冬眠期間中も歌を歌う設定になっていますね。そこがオリジナルとはちょっと違う点ですね。でも、まぁイイんですけどね。ホントの事だろうし、現役だしね。

この曲はファンへの感謝の歌ですね。"ちょっと休むけど心配しないで、リフレッシュしてまた新しく生まれ変わって戻って来るから。またいつか逢いましょう、その時まで皆さんお元気で、愛してます"って感じの曲です。

先日、兄のノエルも彼の成功をあたり前と思っておらず、心からその境遇に感謝をしている謙虚な人らしい、と言う話をしましたが、実は弟のリアムの方も同様にとっても謙虚な人でして(信じ難いかもしれませんが…)、自分にとってはファンの存在こそが全て、と、どうも本気で思っているようなのです。コンサートでのファンとの触れ合いも、これまでの音楽人生も、彼の眼には、それがとっても愛おしく、かけがえのない大変美しいものとして映っているようなのです。特にこの曲のミュージックビデオを見ると、その感じが大変良く出ています。その中では日本のファンとの交流や新幹線での移動時に見える日本の田園風景も出て来るのですが、どうも、こうした日本の平凡な田園風景も、彼にとっては、彼の音楽人生の中の美しいワンシーンの一つ、としてとらまえているようです。そうした彼の気持ちが大変よく表れている沢山の感謝の気持ちが詰まった曲とビデオになっています。素晴らしいです。

尊敬する宗教家もよく言われていますが、その人が天国の住人になるかどうかを見分けるには、その人がこの世界を美しいものとして見ているかどうかである程度分かる、的なことを過去言われているのを聞いたことがあるのですが、その意味では、この兄弟はあんなに口が悪くても明るい世界に戻る可能性が高い印象です。

なにせ、彼らの神の”ジョン”は相当格が高い魂のようなので、あっちに行ったらおったまげる事必至です。まぁその事実を目の当たりにして驚愕したとしてもFワードだけは控えて欲しいですよね。"XUCK"とか言わないで欲しいのです。だって一応天国だしね。しかも高位のね。普通の人じゃ行けませんからね。リアムはほぼ50歳、兄貴のノエルも50代の真ん中だけど、60過ぎる頃には、もうFワードは卒業して欲しい。ホントにね・・・。

では。

湖畔人

(2022.09.03改訂)

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