社長・副社長日記

宇都宮の税理士法人児玉税経(KTA)の社長と副社長が日常を語る!

2050年の日本

2010-11-23 21:17:19 | 経営者の考え方
NHK第一放送の「あさいちばん」の中に、6時42分頃から始まる「ビジネス展望」という番組があります。


ビジネス展望は月曜日~金曜日、様々な識者がいろいろな考え方や情報を知らせてくれる大変役立つ番組です。


私は、この「ビジネス展望」は、テレビのキャスターの個人的な意見やマスコミの偏った報道に左右されない、


貴重な情報であると思います。


10月のある日のビジネス展望の中で、慶応義塾大学教授の金子勝氏が既に他界されているロンドン・


スクール・オブ・エコノミクスの教授であった森嶋通夫氏の「なぜ日本は没落するか」という書籍を


ご紹介くださいました(岩波現代文庫)。


この書籍は今から10年以上前の1999年1月に書かれたものです。


金子教授は、現在の日本は、森嶋氏が危惧していた状況に陥っていると指摘されました。


北アジアに位置する日本が今後生き残るただ一つの道として、森嶋氏は「東北アジア共同体」を提案


しています。


私が中学生の頃、1980年代でしたが、テレビで日本の将来を予測したドキュメンタリーを見ました。


そのドキュメンタリーは、将来、中国が台頭し、日本は経済で世界をリードする国ではなく、


観光に活路を見出さざるを得ない国になるという衝撃的な内容であったことを今でも鮮明に


覚えています。


実際、その通りになりつつあります。


20年以上前に、なぜそのように予想できたのか?


この書籍によってその疑問が解決できるかもしれない。


そう思い、この本を手に取りました。


森嶋教授は厳しい論者として知られた方のようなので、好みはあるかもしれません。


しかし、経済の土台は「人」であると考え、第2次世界大戦前と第2次世界大戦後の教育によって


どのように日本人が変わっていったのか、それがどのように経済及び社会に影響を与えているのか


を指摘された森嶋教授の考えは、まさに的確であると強く思いました。


2050年、私は後期高齢者になっていますが、これからの40年は20~40代が中心となって


日本を担っていきます。このまま黙ってそれを見ているのか、何か出来ることはないのか、


それを考えさせられる機会となりました。


少なくとも、私自身を含め、児玉税経の社員には、正しい倫理観と客観的且つ正しい歴史認識、


そして論理的思考を持った人間になる努力をしていこうと思います。


2時間もあれば読める本ですので、是非、一読されることをお勧めします。





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