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勝った!勝った!!勝った!!!
ついに勝った。これまでの憂さを晴らす快心の勝利。
重苦しい空気が漂っていた。三度は負けられない韓国戦。序盤、日本がチャンスはつかむものの、ライトの好守備、サードライナーダブルプレーと、いいところで韓国の守りに押さえ込まれた。日本も韓国も一歩も引かない。息詰まる投手戦。
そして7回表・・・
先頭バッターは我らの松中信彦。過去2打席、イチローをスコアリングポジションに置きながらも、凡退。4番らしさが見られなかった。しかしこの打席4球目を引っ張ると、ライト線を抜ける長打。必死の松中、二塁に気迫のヘッドスライディグ!そして、不甲斐ない自分を、静まる日本を鼓舞するように拳でセカンドベースを叩きつける。この4番の奮起によって、日本打線がついに目覚めた。
ワンアウトの後代打に送られたのは福留。このWBCで不振を極めていた名古屋の竜の渾身の一打。打球は美しい放物線を描きライトスタンドへ。2ランホームラン。欲しかった欲しかった先制点。しかしそれだけで手を緩めない。里崎、宮本とタイムリーが続き、今日の理想だったランナー一三塁で迎える3番イチロー。5点目を呼び込むヒット。8回には前打席でバントを失敗した多村が、汚名返上のホームラン。前回1点に抑えられた韓国から6点をもぎ取った。
投げては上原が完璧なピッチング。国際試合無敗というのはダテではない。ピンチらしいピンチも迎えず、韓国打線に付け入る隙を与えなかった。薮田がそれに続き、最後は大塚がアウト3つをすべて三振に切って取った。
勝った。これまで苦しめられた韓国に勝った。アジアの覇権は譲らなかった。自分たちの誇りは30人の戦士によって守られた。
そして次なる目標は、世界制覇。今まで長年夢見てきた世界一まで、あと一勝。その夢が明後日叶う。
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