こばさん

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『いまを生きる』

2006-01-08 01:04:46 | 映画好き
いまを生きる

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久しぶりに映画もの。

“carpe diem”=“seize the day”=「今を生きる」。この映画の原題は“DEAD POETS SOCIETY(「死せる詩人の会」)”。これに『いまを生きる』と邦題をつけた人のセンスに、脱帽。邦題の方が断然この映画の本質を捉えている。主演のロビン・ウィリアムズは、コメディものもシリアスものも、何をやらせても上手い。ビリー・クリスタルもそうだが、コメディ出身の俳優は比較的安心して見ていられる。

登場人物で一番感情移入できるのが、イーサン・ホーク演じるトッド・アンダーソン。内向的、消極的、引っ込み思案・・・子供のころの自分にそっくり。人の目が気になって、何もできない。自分の殻に閉じこもって、今を楽しく生きられない。

しかしその殻を破ってくれたのが、小学校5年生のときの担任の先生だった。いろんな遊びを教えてくれた。学ぶ楽しさを教えてくれた。その中で、自分自身とは何か、を見つけることを教えてくれた。おかげで、前に出るようになった。皆を引っ張る立場になった。今日の自分は昨日の自分と違う人間になっていった。

そして、その先生から学んだ最も大切なこと―それは、「別れ」。5年生から6年生へはクラスごと持ち上がりだったから、本来なら6年生になっても担任のままでいてくれるはずだった。ところが、別の小学校に転任することになった。簡単に言えば、先生自身の出世のための転任だった。僕らを捨てて、自分の出世を選んだのだった。僕らは泣いた。先生が立ち去っても泣いた。しばらくは動くことさえできなかった。別れのつらさを感じたのは、あのときが初めてだった。

だが、今だから思う。あれは先生の最後の「授業」だったのだ。――別れを恐れて前に進むのをやめてはいけない。自分を捨ててはいけない。別れのつらさを乗り越えてこそ、新しい自分をつくることができる。――だからこそ、今の自分がいる。

あのときは涙で別れることしかできなかった。でも今なら笑顔で見送ることができる。“Oh captain,my captain”と心をこめて。


いまを生きる@映画生活



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