大同大学-高森裁判 経過ブログ

「ペンネーム使えますか?」
問い合わせただけで契約を解除された高森が、支援者とともに裁判を闘うドキュメンタリー。

裁判の結果得るものは?

2009-05-27 01:09:46 | その他
 この裁判がもたらす結果についてはいろいろな意見があります。
 この間聞いたのは「今回の裁判で勝訴したりした暁には、採用が最終段階まで決定してからしか通知されなくなり、返って身分保障の時期が後ろにずれ込む」という意見です。
 たしかに、それは一理あるんですよね。

 大学側は、こんなことで裁判なんかいくつも起こされたらたまったもんじゃないので、「採用試験にエントリーありがとうございました。これから大学内で審議を行い、最終的に決定したらお知らせいたします。例年ですと2月ごろになります」というメールを送ってくるようになるわけです。
 これは次年度の計画がいまなら11月ごろには決まってくるのが、2月まで決まらなくなるので、非常勤講師にとってはますます厳しい状況が出現する可能性がある。

 たとえば、派遣労働法が改正されて3年以上派遣で雇用したら直接雇用義務が発生するようになったことで、企業は3年を前にして派遣労働者のクビを必ず切るようになったというような現象も指摘されております。
 このような現象から、雇用を守るためには、雇用規制を強化するよりも緩和して、雇用リスクを低下させたほうがよいと経済学者たちはいっています。

 同様に、思わぬ結果(素人には?)を今回の裁判が生み出してしまう可能性もあるにはあります。

 しかし、裁判をやってみると分かるのは、就業規則はない、採用のプロセスもあるようなないような、というあまりにも悲惨な現状でした。それが労働者として認められて、まともな雇用関係になるというだけでもずいぶん進歩をすると思います。
 ほか、いろいろな帰結が導けるような気がします。
 さまざまな立場の人にどんな帰結が導かれるのか、聞いてみたい気がします。
 思いついたらコメントしてみてくださいね!

ご支援いただける方はクリックをお願いします!!
 ↓ ↓
人気ブログランキングへ

5月31日は大同大学前でビラ配り

2009-05-26 04:27:28 | 裁判闘争記
 5月31日(日)は大同大学の学園祭および同時開催でオープンキャンパスがあります。そこで、今回の裁判についても大同大学の学生さんや受験生などの参加者のみなさんに知っていただこうということで、ビラまきをしようと思っております。
 高校生にも分かる言葉遣いのビラを作らないといけないですねー。
 今回の件でわたしたちの主張が何で、大同大学の主張がなんなのかというのを事実をまとめたほうがいいのかな、と思っております。

 午前9時45分に名鉄大同町駅にて待ち合わせで2時間ほどの予定です。

 参加したい方はメールにてご一報ください

ご支援いただける方はクリックをお願いします!!
 ↓ ↓
人気ブログランキングへ

大同大学の主張3 就業規則について 付け足し

2009-05-25 02:38:01 | 法律論
 労働法に言う労働者とはどんなものなのか、ということを見てみました。
 ぼくも、法律については、裁判を起こしてから、法学者や弁護士さんにご意見を聞きながら少しずつ勉強している段階で、おかしなことを言っているかもしれないので、もしおかしなことを言っていたらご指摘ください。

 さて、大同大学が非常勤講師に適用される就業規則を作っていない理由として、挙げている理由のひとつに、「講義のみならず校務にも従事する専任教員(教授、准教授、講師および助手)とは全く異なる立場にある」というのがあります。
 全く違うならば、その働き方に合わせた就業規則がなければならないのは当然のことで、これは論理的に非常勤講師向けの就業規則を作る理由にこそなれ、作らない理由になるとは思えません。ようは、大学側が大切な労働力だと思ってみておらず、いつクビを切ってもかまわないし、ちゃんと雇用してやる必要もないと思っているということを表しているように思われてなりません。

 ご支援いただける方はクリックをお願いします!!
 ↓ ↓
人気ブログランキングへ

新刊書『これだけは知っておきたい 生きるための科学常識』の案内

2009-05-23 06:15:04 | その他
 新刊書の案内です。
 私も執筆者の1人である『これだけは知っておきたい 生きるための科学常識』が出版されております。
 たった1項目だけの執筆ではありますが、ウイルスについて概説をしました。
 ウイルスというと病原体ですから、みんな怖いものと思い、制圧したいと思っているのですが、そこにはおそらく一定の限界があり、その限界の向こう側にはウイルスとの平和共存という世界があるということを書いています。

 ただいま、日本はブタインフルエンザで大騒ぎをしています。
 一方で、弱毒だからこんなに物々しい騒動にするほどではない、こんなことをするから経済的な打撃は大変なものだ、という議論もあります。

 この本では、こうした緊急時の対策に直接は関係ありませんが、ウイルスというものをもう少しウイルスの立場に立って見ることで、見え方も変わってくるでしょうという問題提起をしています。もちろん、パンデミック時に緊急対策を取り、感染拡大を最小限に抑える努力をし、もし感染してしまったらきちんと治療が行われることに反対しているわけではありません。あちら(=ウイルス)の論理も少しは勘案してあげましょうというくらいのことです。

 他の項目も冷静な視点から、書名どおり「常識」が詰まっています。
 こうして科学リテラシーを向上させることに関与できるといいなと思っております。

 法律リテラシー本も欲しいなあ。
 素人がいきなり法律相手に格闘するはめになってしまったわけですが、これは何も知らないと難しすぎます、、、。
 でも、どうやっても難しい本になっちゃうのかなあ?(^^;;

 ご支援いただける方はクリックをお願いします!!
 ↓ ↓
人気ブログランキングへ

河合塾の雇い止め裁判

2009-05-23 01:13:37 | その他
つぎのような記事が数日前に流れていました。
スポニチの記事からです。

350万円支払い命令…講師契約終了で河合塾に

 予備校大手の河合塾(本部・名古屋市)の元非常勤講師、須藤真一郎さん(54)=熊本市=が、契約を終了したのは違法な雇い止めだとして、慰謝料支払いなどを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁は19日、請求棄却の1審福岡地裁判決を変更、河合塾に350万円の支払いを命じた。

 判決理由で西理裁判長は、須藤さんが自分の意思で契約書を提出しなかったことから「雇い止めとは認められない」としたが、担当講義を減らすよう強硬に契約の不利益変更を迫った塾側の態度を「収入が大幅に減少し、生活が成り立たなくなる境遇への配慮が甚だしく欠ける」と判断した。

*****************************

 雇い止めは認めないながら、慰謝料は認めるという判決で、折衷案ですね。
 この人が、契約をしていたら、どういう判決になっていたか分からないのですが、「業績評価に基づいてコマを減らすなら、ある程度の金銭的な保証はしてあげなさいよ」ということでしょう。

 業績が長年振るわない人を、裁判所や労働組合がどの程度守るのか、というのは難しい問題です。連合などの労働組合は「正社員」でありさえすればなんであれ守り続けているわけですが、それでは回らなくなってきている感じがあります。退職年齢に近い正社員が窓際にいようが、ともかく雇用は保証されて、それなりに年功賃金制で上がった賃金をもらい続ける。そのために若者には賃金が回ってこないという現実があります。それでも、人件費を抑制しないとグローバルな競争には勝てないということで、非正規雇用が増えていっているし、大企業でも出世していける人の割合は少なくなっていて、万年平社員率が上がってきている。
 予備校という業界的に言うと、企業業績が評判に大きく左右される業界にあって、あまりにも業績が出せないでいる人を雇用し続けるのは、業界全体の売り上げを押し下げる可能性が高いので危険なことです。裁判所が、あまりに重い規制をすると、業界自体の生産性を低下させる可能性もありますね。そう考えると、ある程度の賃金保障をすれば、整理解雇が可能なのかもしれない、という判決の着地点は絶妙かもしれません。(この事件の個別性の問題等々もありはっきりと整理解雇が可能である、といえるのかどうかは難しいかもしれません)裁判官は、こうしてどこから見ても文句が出にくい判決を書こうとする性質があるのかもしれませんね。その結果、原告、被告ともに不満かもしれませんけど……。裁判所が損をするような判決はありえないので、大岡越前の三方一両損みたいなのもありえないですしね。
 授業以外の仕事も用意して、そういう仕事もやってもらうなどのことも考えたほうがいいのかもしれません。とはいえ、模試作成などの業務のほうが、授業よりもさらに神経も使うし、難しいんですけどね…。

 ご支援いただける方はクリックをお願いします!!
 ↓ ↓
人気ブログランキングへ