前回の公判の報告で「なお、大学側準備書面に記載されていた「論点」として、大学の非常勤講師の契約関係が、「請負または準委任に近い」うんぬんという箇所がありましたが、この点に関し竹内弁護士から被告側に確認したところ、労働契約であることを前提とした審理を行うということで、裁判官の判断で、論点群から消えることになりました」ということを前田さんが書いてくれました。
これは「労働者性」について理解していないと分からないと思います。
「はたらく人」は、大きく「労働者」と「自営業者」がいます。
「労働者」は会社に雇用されて働く人で、「自営業者」は雇用されず独立して働いています。その組織でどういう呼び方をされているにせよ、実質上、労働者性が認められれば労働法の適用になります。
労働者にたいする法的保護としてまっさきに思いつくのは、労災補償でしょう。業務が原因でケガをしたり、病気になったりした場合、労災保険の補償が受けられます。そうすると治療は自己負担なしということになります。
自営業者は、国民健康保険であれば3割負担です。
長期の入院になったりするような場合には、たいへんな違いがあるわけです。
労働者ではないということになると、労働基準法や労働契約法などのいわゆる労働法が適用できなくなります。
大同大学は、非常勤講師は労働者であるよりも、自営業者としての色合いが強いので、就業規則を作っていないということをいってきました。
10人以上の労働者を雇用する使用者は、就業規則を作って、労働者の代表(過半数の組合員がいる労働組合か、過半数の労働者により選任された代表者)の意見を聞いたうえで、労働基準監督署にも提出する義務があります。
大同大学は、非常勤講師に適用される就業規則を作っていなかったので、「非常勤講師は労働者ではない」というほかなかったのでしょう。出入りの業者が、大学で授業をしているということです。
もしそうなると、労働法でのお話ではなく、民法の契約によるお話になってしまいますので、世界が違います。労働法では、使用者は勝手に解雇してはいけないことになりまして、労働者はわりと守られているわけですね。
今回、大同大学側からの文書には、就業規則がない理由として、非常勤講師は労働者性が希薄だというようなことを書いていて、そうなるとひょっとしてこの裁判で私が労働者なのかどうかを争わなければならないのか、と思ったりもしたのですが、そこは裁判長が采配を振るってくださいました。そこは一安心ですね。
ところで、これから大同大学は非常勤講師の就業規則を作らなきゃいけないんだけど、それは大同大学の教職員組合に見せればいいのでしょうか? 大同大学の教職員組合には非常勤講師は加入していないので、当事者不在で通ってしまうことがありうるな、と思います。
ただし、就業規則は使用者が作ることができ、事情聴取をしさえすれば労働基準監督署は受け取ってくれますので、そう変わらないのかもしれませんね。
ご支援いただける方はクリックをお願いします!!
↓ ↓
人気ブログランキングへ
これは「労働者性」について理解していないと分からないと思います。
「はたらく人」は、大きく「労働者」と「自営業者」がいます。
「労働者」は会社に雇用されて働く人で、「自営業者」は雇用されず独立して働いています。その組織でどういう呼び方をされているにせよ、実質上、労働者性が認められれば労働法の適用になります。
労働者にたいする法的保護としてまっさきに思いつくのは、労災補償でしょう。業務が原因でケガをしたり、病気になったりした場合、労災保険の補償が受けられます。そうすると治療は自己負担なしということになります。
自営業者は、国民健康保険であれば3割負担です。
長期の入院になったりするような場合には、たいへんな違いがあるわけです。
労働者ではないということになると、労働基準法や労働契約法などのいわゆる労働法が適用できなくなります。
大同大学は、非常勤講師は労働者であるよりも、自営業者としての色合いが強いので、就業規則を作っていないということをいってきました。
10人以上の労働者を雇用する使用者は、就業規則を作って、労働者の代表(過半数の組合員がいる労働組合か、過半数の労働者により選任された代表者)の意見を聞いたうえで、労働基準監督署にも提出する義務があります。
大同大学は、非常勤講師に適用される就業規則を作っていなかったので、「非常勤講師は労働者ではない」というほかなかったのでしょう。出入りの業者が、大学で授業をしているということです。
もしそうなると、労働法でのお話ではなく、民法の契約によるお話になってしまいますので、世界が違います。労働法では、使用者は勝手に解雇してはいけないことになりまして、労働者はわりと守られているわけですね。
今回、大同大学側からの文書には、就業規則がない理由として、非常勤講師は労働者性が希薄だというようなことを書いていて、そうなるとひょっとしてこの裁判で私が労働者なのかどうかを争わなければならないのか、と思ったりもしたのですが、そこは裁判長が采配を振るってくださいました。そこは一安心ですね。
ところで、これから大同大学は非常勤講師の就業規則を作らなきゃいけないんだけど、それは大同大学の教職員組合に見せればいいのでしょうか? 大同大学の教職員組合には非常勤講師は加入していないので、当事者不在で通ってしまうことがありうるな、と思います。
ただし、就業規則は使用者が作ることができ、事情聴取をしさえすれば労働基準監督署は受け取ってくれますので、そう変わらないのかもしれませんね。
ご支援いただける方はクリックをお願いします!!
↓ ↓
人気ブログランキングへ