大同大学-高森裁判 経過ブログ

「ペンネーム使えますか?」
問い合わせただけで契約を解除された高森が、支援者とともに裁判を闘うドキュメンタリー。

「大同大学を強く非難」したらしい……

2009-05-13 02:19:59 | 裁判の経緯
 大同大学側の主張がだんだんはっきりしてきました。
 まず、契約を結んだ覚えもないのに、解雇することはできない、というのが第一点。これは地労委のあっせんのときから、そういう主張をなさってきているわけです。
  それから、今回、「第1準備書面」というもので、出してきた論点は、私が大同大学で教鞭をとることについて不適格だということをはっきりいってきました。 一部引用します。

原告は、正当な理由もないのにペンネームでの講義に固執し、なおかつ、ペンネームでの講義は認められないとした被告大学側の対応を強く非難している。

ということなのだそうです。

 ここから想像できるのは、私が相当な罵詈雑言をメールに書きなぐったんじゃないかということです。私のメールも引用します。

こんばんは。
高森です。

> なお、ペンネームでのご出講につきましては、教室主任と確認ならびに相談しま
> したところ、大変恐縮ではございますが、ご期待に沿うことはできません。御本
> 名でのご出講をお願いしたく存じます。いかがでしょうか?この点、ご了承いた
> だきたく存じます。

他の機関では、M大学にしろ、某予備校にしろ通用名の使用は認められております。
貴校でも、たとえば作家の公演をするときに、本名で、ということはないと思います。


それができない理由をお知らせいただけないでしょうか?

(勤務先の名称はできるだけ公の場で使わないようにというのが、勤務先との裁判をする条件となっているので伏せさせていただきます)

 これは「強く非難」していることになるんでしょうか?
 私には、読者がどのような印象を得るのかは必ずしも分かるわけではありませんが、私の意図としては他の勤務先とは異なる大同大学の理由があるんだろうけれども、それを教えて欲しいと思ったというだけのことです。このメールを送ったとたんにクビを切られてしまったので、どうしていいのか分からず東海圏大学非常勤講師組合に相談をしたりしていたわけですが、組合の方からも「それほどペンネームに固執していないのなら、それを伝えたほうがよいのではないか」といわれましたので、そのメールを書きました。

お返事遅くなりまして、申し訳ありません。

それでは、出講名を通称にすることは難しいようなので、とりあえず本名でも構いません。

 大同大学に言わせると、このメールには「とりあえず」と書いてあって、将来またペンネームを使わせろと要求することを予期させる文言が入っているために、明らかに固執しているということになるのだそうです。私としては、他の機関にできている以上、大同大学ともあろう伝統と実績のある大学であれば、1年もあればペンネーム使用のための準備ができるかな? そうしたらお願いしたいなー、と思ったというだけのことです。単なる希望を述べたにすぎません。
 こうした問い合わせをする人間は、大同大学で教鞭をとる人間としては不適格なのだそうです。そうすると、大同大学の労働組合で労働条件の改善を求める要求をするような先生方も、全員大同大学で教鞭をとる人間としては不適格となりはしないでしょうか?

 ちなみに、大同大学では先生の側は何1つ質問をしてはいけないわけですが、学生の側には全く逆のことを要求しています。

 大同大学の教育方針が載っているページを見てみましょう。ここに、こんなことが書いてあります。

批判的思考というのは、何も他人の言うことにけちをつけることではありません。物事を「なぜ、なぜ」と深く追求し、疑問の残らないところまで考え尽くすことです。

 私は大同大学に「なぜ?」とちょっと聞いてみただけです。それにけちをつけられまして、よく分からないから、その後「なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ、なぜ……」となって、結局、裁判まですることになってしまったわけです。大同大学がお勧めすることをやっているだけなんだなあ、と納得した次第。「疑問の残らないところまで」法廷で事実を明らかにしていただきたいと思います。

 みなさんにお聞きしたいのですが、先のメールって「強く非難」したことになりますかね? ペンネーム使用に「固執」しているんでしょうか? コメントお待ちしております。

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博士号取得者に500万円の持参金を政府が用意

2009-05-13 01:30:18 | その他
 博士号取得者に政府が500万円の持参金を持たせて就職させようとしているようです。
 ポスドクのポストは前よりは広がったものの、一般企業には就職できない状態が以前と続いている博士号取得者。この対策に09年度補正予算案に1人採用するたびに500万円の持参金をつけるということです。
 会社からは「博士は視野が狭くて使い物にならない」とか「自分の好きなことしかやらないので会社としては使えない」とか、使ったこともないのにこき下ろされている博士様たち。
 私の職場には博士号取得者や博士課程中退者がたくさんいますが、みなさんそれぞれに自分の専門を生かしながら、研究とはまるっきり異なるお仕事をやってます。それが業務の質を高める結果にもなっていると思います。
 博士号にもいろいろあるとは思いますが、ぼくが行っていたところでは、「博士号というのは世界の知の水準を自力で前進させることができる証である」という方針で、たとえていうとオリンピック選手になるか辞めるかどちらかという二者択一の世界。そのためには、極めて厳しい競争に身をおくことになります。毎日14時間や16時間実験をするのは当たり前。休みなしも当たり前。そんな世界。みんながそんなんですから、だれもがその中で頭1つ抜きん出てオリンピック選手になれるなんてわけはないわけです。身体や精神に不調をきたして辞めざるを得なくなる人は続出するわけです。

 しかし、この程度に働く人というのは、一般の会社員ではそう多くない(いわゆるブラック企業ってことになりますね)わけで、こういう人材を使えない日本社会ってのは、たいそうなものを失っているように思います。

 『若者はなぜ3年で会社を辞めるのか』で一躍有名になった城繁幸さんもブログで、「勉強しすぎるとマイナス評価される国」ということで記事を書いておられます。
 城さんによると、年功序列の賃金システムがこうした人たちの就職を妨げているということになるのだそうです。

 金一封もたせて民間に押し付けるよりも、率先してやってもらいたいのは、公共の仕事にこうした人たちを迎え入れることなんじゃないでしょうか。先日、紹介した竹内薫さんの意見である、学位取得者を学校の先生に、というのはとてもいい案だと思います。私の知り合いでも学位取得者で中学校の理科の先生をやっていて、学校に理科好きの環を広げていらっしゃる先生もいます。ほかにも、厚生労働省や環境省にはもっと理系の学位取得者がいていいはずです。
 一人当たり1億円くらいかけて育てた学位取得者を社会の隅においやっておくのはもったいないですよ。

 まあ、500万円の持参金もたしかに今回の補正予算案の中身としてはまともなほうではありますが、500万とかケチなこといわないで、3億くらい用意すれば一生お役所で雇用できるんですから、そちらを考えたほうがよかろうかと思います。

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