今日は休み。オレ建は「首都圏外郭放水路」です

今日は昼過ぎまで遅寝。
週一休みの日はあっという間に時間が過ぎてしまいます。

仕事はというと住宅営業の大変さ、難しさを最近特に感じてきました。
やはり高額商品。そんな簡単には買ってくれるほど世間は甘くはありません。
でも、一度選んだ道。
なんとか芽が出るように頑張らないと・・・
明日は２時からお客様宅で打ち合わせ。
気合入れていくぞ～！

オレ流建築の歩き方は埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」です。
2008年3月25日に行ってきました。

のどかな田園風景広がる中川、綾瀬川流域の洪水被害を防ぐために造られた地下トンネルで、建築というよりかは巨大な土木構造物です。


　　　　　　　　　　周辺の田園風景

詳しい説明や見学の申込みは国土交通省江戸川河川事務所のホームページへhttp://www.ktr.mlit.go.jp/edogawa/works/saigai/sonae/gaikaku/g-cans/index.html

人々の生活を支えるのに不可欠な施設、でも普段はなかなか目にすることができない領域、しかもそれが巨大な構造物とくれば、なんだか好奇心をくすぐられます。

社会科見学と称してさまざまな見学会を紹介したサイトがあるのでオススメです。

さてさて今回行った「首都圏外郭放水路」。

放水路の管理棟兼展示館である「龍Q館」に集合し、この巨大な構造物の仕組みや役割の説明を受けます。
この日は子供連れのお母さんグループと一緒でした。

説明後、サッカーグランド沿いの道を通って地下施設の入口へと向かいます。
この広いグランドの下こそ今回の目的地となります。


　　　サッカーグランド。この下に巨大空間が

入口から階段を下ることおよそ30ｍ。
眼前には巨大な地下神殿が広がります。


　　　　　　　　　まるで地下神殿

ひんやりとした冷気がただよってますが、気温は約10度。
夏も冬も一定の温度を保っているそうです。

元テレビディレクターの私の感想、「現実離れしたこの風景、撮影に使えるな。」
でもそんなこと世間様はすでにご承知。すでに映画やドラマのロケ地として使われているそうです。

さてさて、この空間の役割は調圧水槽。
トンネルを通って大量に流れてきた水の勢いを弱め、スムーズに流すためのクッションの役割を担います。
まさに大空間。
１本当たり高さ25.4m、長さ177m、幅70mの59本の柱によって支えられていますが、人の大きさと比べてもかなりの大きさです。






数字や写真ではなかなか伝わってこないと思いますが建築空間を越えた土木的スケールです。
無駄な装飾などなにもない、まさにコンクリート打放しの構造美。
規則正しく並んだ列柱の間を歩くと、見る角度によって様々な風景へと変化します。




でもどこかでみた風景・・・。
そうそう、去年訪れたフランスの「モン・サン・ミッシェル」。
こんなに巨大ではなかったですが同じようにいくつもの柱によって支えられた地下空間でした。


　フランス　モン・サン・ミッシェルの地下内部


この調圧水槽の正面の巨大な縦穴は水を溜めるための立杭ですが、直径31.6m、高さ70mの円筒は、まるでロケットかミサイルの発射台です。


　　　　　　　　　　　第１立杭

近くにいって大きさを実感したかったのですが、車止の向こうは立入禁止との事。


　　　　　　　　見学者は車止まで

今は汚れもなく神秘的な雰囲気が漂うコンクリート打ちっ放しの地下神殿ですが、洪水終了時は泥が溜まって悪臭が漂います。
そのため、洪水後は天井の開口部から重機を入れて掃除をするそうです。

最後に、ここに流れ込んだ水のその後ですが、飛行機用のエンジンを使ったポンプで江戸川に放出されます。


　　　　　　　江戸川への放水口

江戸川は大きく流量に余裕があるので、あふれることはないそうです。


　　　　　　　　　施設周辺の江戸川

建築を超えた土木的スケールと非日常の光景。
どちらも人の手によって造られ、人の手によって守られているのは一緒です。