ヒマジンの独白録(美術、読書、写真、ときには錯覚)

田舎オジサンの書くブログです。様々な分野で目に付いた事柄を書いていこうと思っています。

歌謡曲で人が北に行きたがるのはなぜ?

2016年07月28日 20時27分21秒 | ことば
思いつくだけでもかなりの「北」に関する曲があると思います。
ランダムに挙げてみますと次のような曲が思いつきます。(  )内は歌手名です。

北国行きで(朱里エイコ)、北空港(桂銀淑・浜圭介)、北帰行(小林旭)、北ウイング(中森明菜)、北へ帰ろう(徳久 広司)、北の宿から(都はるみ)、北酒場(細川たかし)、北国(吉幾三)

これらの曲名はみな良く売れた楽曲ですね。
これを北以外の方角例えば「南国行きで」や「西ウイング」「東の宿から」と言う曲名にしたなら、はたしてその曲はヒットしたでしょうか。
うーん、なんとも言えませんね。

余談ですが「南国土佐を後にして」と言う曲はかなり売れた曲でした。
曲名に北以外が付いてヒットした数少ない曲ですね。
この歌には次の歌詞があります。「南国土佐を 後にして都へ来てから 幾歳(いくとせ)ぞ」とありますね。南国から都へ来たのですからこの歌もやはり「北」を目指していることになります。曲名には「南国」と言う文字が付きますが、内容は北に着いた内容になっています。

さて、これらは曲名に北がつく例ですが、歌詞の中で「北」を目指したものもあります。
津軽海峡冬景色では「北へ帰る人の群れはみんな無口で~」と歌っていますね。
また、朱里エイコが歌った「北国行きで」では「つぎの北国行きがきたら乗るの~」「つぎの北国行きで消えてゆくの~」と歌われています。

歌謡曲に「北」が多く歌われてきているのには、次のことが基底にあるのかなと私的には思われます。
それは、日本列島の国土が南北に長くなっているという事に関係があります。
距離の移動の際、南北に行くのが時間が多くかかるという事なのです。

歌謡曲に歌われるヒロインは傷心の想いで旅に出ます。長い距離を長い時間をかけてゆっくりと心の傷をいやさなければならないのです。西や東に行ったのではすぐに日本海や太平洋に着いてしまい旅を続けることが出来なくなってしまいます。
そこで長い時間を旅するには北や南に行くわけです。

そう考えると、南に行く歌と北に行く歌が半数ずつあってもよさそうですね。
でも、歌謡曲には圧倒的に北が多くみられます。
それではなぜ、「北」が多いのでしょうか。

傷心の想いを抱えたヒロインが北国出身だから、と言う答えが予想できます。でもなにも、北国出身者だけが心に傷を抱えるとは限らないでしょう。
実際、「京都から博多まで」と西に行く歌もありましたね。

この疑問に応える解答は、今のところ見当たりません。
この疑問を考察した暇人はどこかにいませんでしょうか?



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